今年のF1第7戦カナダGPはモントリオールで開催される40回目の記念大会となり、ピットビルが改築された。木曜日のFIA会見は、新しいピットビル内に設けられた記者会見場で開かれた。
出席者はルイス・ハミルトン(メルセデス)、キミ・ライコネン(アルファロメオ)、ランド・ノリス(マクラーレン)、ランス・ストロール(レーシングポイント)、ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ)。
地元の記者から、新しくなった施設についての質問が飛ぶと、最初にコメントを求められたクビアトは準備ができていなかったのか、「まあ、いいんじゃない。でも、僕にとって大切なのはコースで、そこは変わっていないから、特にコメントはないよ」と答えると、隣にいたハミルトンが次のようにフォローした。
「まだきちんと見ていないからわからないけど、本当にきれいになったね。少なくともいま僕たちがいるここ(記者会見場)はね。かなりの投資だと思うけど、彼らはまだサーキット周辺の道路などを整備しているよね。ピットビルは新しくなったけど、駐車場からパドックまでは橋を渡らないといけない。主催者がそこに手を付けるかどうかはわからないけど、工事するなら、今回ピットビルを改築した人たちを雇うべきだね」
地元のストロールは、今回の記者会見ではハミルトン、ライコネンといったチャンピオンに囲まれたセンター席から、「きれいになったね。今回の改築はグランプリにとってだけでなく、街にとっても最高のプレゼントとなったと思う。あとは素晴らしいレースをするだけだね」と答え、母国グランプリへの意気込みを次のように語った。
「いまはヨーロッパに住んでいて、あまりカナダに帰ってくることはないから、久しぶりに帰ってきて家族や友人と会って楽しい時間を過ごした。昨日はNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)の地元チームのモントリオール・カナディアンズとアイスホッケーをして楽しんだよ。でも、気分転換は今日まで。今年も昨年同様、ヘアピンに自分の名前の付いたスタンド席が用意されているから、明日からは自分の仕事に集中さ」
■トロロッソの最多出走回数に並ぶダニール・クビアト
今回がモントリオールにとって40回目の記念大会なら、クビアトにとっては、これがトロロッソでの58回目のレースとなり、ジャン-エリック・ベルニュと並んでトロロッソでの最多出走回数となる。その件についた尋ねれると、「ちょっと、歳をとった気分なった」と笑った後、こう続けた。
「トロロッソには感謝しているよ。ここでは本当にいろんなことを学ばせてもらった。僕も成長したし、今年はチームも大きく前進している。それに少しでも貢献できたら、うれしいね」
続いては、40回目の記念大会が、初めてのカナダGPというノリス。
「シミュレーターにも乗ったし、飛行機の中でもいろいろデータを見て準備した。楽しそうなコースだけど、危険な匂いもする。できれば、Q3に進出して、ポイントを獲得したい。でも、中団グループは接近した戦いになるだろうから、予選までにやらなければならないことはたくさんある」
開幕から4戦続けて入賞してきたライコネンだが、ここ2戦は無得点に終わっている。その理由を尋ねられると「遅いから!!」と、いきなりライコネン節。そして、冷静にこう分析した。
「まあ、モナコGPは予選での失敗がすべて。レースは最初のピットストップまでにすべてが順位は決まったようなものだから、自分たちの実力がどうだったのかはよくわからない。ただ、スペインGPでは僕たちは少し間違った方向に進んでいたことは理解している。できれば、ここで再びスピードを取り戻したいけど、このコースはトリッキーだから、気をつけないといけない。縁石は高いし、シケインの出口は狭い。だから、プッシュしすぎると、ウォールの餌食になる」とライコネンは語った。
しかし、ライコネンがデビューした2001年シーズンのカナダGPは、いきなりの4位。いまや現役最多となる17回目のカナダGPで、ライコネンがどんな走りを見せるか、注目したい。