日本でも5月31日から公開されている映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(以下:KOM)。テレビCMもバンバン流れているので、既に御覧になった方も多いことだろう。僕も先日観たばかりであるが、「観たいけど、暑い中劇場に行くのが億劫だからブルーレイが出るのを待とうかな」と思っているあなた。そのあなたの背中を是非押したいと思ったので筆を執らせていただく。
はっきり言って、少しでも観たい気持ちがあるのなら絶対に劇場に行くべきだ。それぐらい素晴らしい作品に仕上がっている。(文:松本ミゾレ)
ラドンの造形は歴代で一番かっこいいかも
本作は2014年に公開された、ハリウッド版『ゴジラ』の直接の続編となっている。前作では核にも耐えうる大怪獣ゴジラと、ムートーという怪獣の対決が主軸であった。戦いの果てに町々は破壊されたわけだが、『KOM』ではその後の復興の模様も描かれている。
さらには、2017年に公開され、先頃地上波でも放映されたばかりの『キングコング:髑髏島の巨神』とも同じ世界観を共有する。だから大前提として、この2作を観てからの観賞をオススメしたい。
もちろんハリウッドの潤沢な予算で作られる怪獣映画であるため、映像面では申し分のない仕上がりになっている。また、2014年版では控えられていた「ゴジラ作品には欠かせない、例の音楽」が随所に活用されていて、日本の怪獣ファンにとってたまらない時間を何度も提供してくれる。
既にCMでも登場しまくっている通り、ゴジラ、モスラ、ラドンにキングギドラといった、東宝怪獣のスターたちが次々にスクリーンに登場する。とりわけラドンは歴代でも一番かっこいいのではないかと思えるほどに静観な顔つきをしている。
劇場が明るくなる前に席を立つべからず 最後の最後にも注目
ところで『KOM』では、キングギドラのことを「ギドラ」と呼んでいる(実はもう1つ別の呼び名もあり、往年のファンはおそらくニヤリとできるがネタバレなので伏せておく)。キングギドラがどうして、王の名を省かれてギドラなのか。
ここにはKOMの根幹であるゴジラの存在が強く作用しているように見受けられた。ゴジラはもともと、日本怪獣映画のスターである。そしてしばしば日本国内外で「怪獣王」とも呼ばれてきた。
そしてこの映画のタイトルは『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』である。直訳すれば、ゴジラは「怪獣たちの王」なのだ。このタイトルがある以上、キングギドラであっても王の名は省かれて当然ということになる。
実際これについては、映画を観れば誰もが「今回のギドラは王の名前は似合わないな」と思える要素が用意されているので、観て納得してほしい。
そしてこれは『KOM』に限らないことでもあるが、この映画は最後の最後にも見るべきポイントを残している。くれぐれも劇場が明るくなるまで席を立たないことを強くオススメする。
日本のゴジラは世界でも確固たる地位を築いた。あなたも、怪獣王の咆哮をスクリーンで聞くのだ。