2019年のモンスターエナジーNASCARカップは6月2日、ペンシルバニア州ロングポンドのポコノ・レースウェイで第14戦が行われ、カイル・ブッシュ(トヨタ・カムリ)が2019年シーズン4勝目を挙げた。
カップシリーズで年2戦のレースが開催されるポコノは、3本のストレートを3つのコーナーでつないだ三角形レイアウトが特徴のトラック。各コーナーの曲率も違い“トリッキー・トライアングル”の愛称でも知られている。
第14戦は、1周2.5マイル(約4km)のトラックを50周、50周、60周の3ステージ合計で160周(400マイル/約640km)で争われた。
ステージ1は予選7番手だったカイル・ラーソン(シボレー・カマロZL1)がウイリアム・バイロン(シボレー・カマロZL1)を抑えきりトップチェッカー。2019年シーズン2度目のステージ優勝を手にした。
また、このステージ1では続くステージ2を有利なポジションでスタートするべく、カイル・ブッシュやエリック・ジョーンズ(トヨタ・カムリ)が残り3周でピットへ向かっている。
ステージ2は再スタート前に上位陣がピットへ向かったこともあり、トヨタ陣営が2~5番手を占める形でスタートする。
この時点で2番手につけていたマーティン・トゥルーエクスJr.(トヨタ・カムリ)だったが、91周目にエンジントラブルが発生。リタイアを余儀なくされてしまった。
残るトヨタ陣営のうち、カイル・ブッシュはステージ中盤からラップリーダーを務めると、一時は2番手に5秒以上の大差をつけてみせる。しかし、ステージ2終盤、続くステージ3でのポジションを優先してピットに入ったためポジションダウン。結果的に、このステージ2もラーソンが制している。
最終ステージ3ではピット戦略を活かしたカイル・ブッシュがラップリーダーでスタート。ライバルが採るピット戦略の違いによってポジションを落とす場面もあったものの、実質的トップを守ったまま、レースは終盤に向かっていく。
すると、147周目にリッキー・ステンハウスJr.(フォード・マスタング)がターン立ち上がりでウォールにヒットしたため、イエローコーション。カイル・ブッシュが築いてきたリードが一度帳消しとなってしまう。
レースは152周目に再開されると、カイル・ブッシュは2番手ブラッド・ケゼロウスキー(フォード・マスタング)の追撃をふり切り、ふたたび独走体勢に入ると、2.224秒リードでトップチェッカー。2019年シーズン4勝目を手にした。
シリーズ通算55勝で歴代9位タイの優勝回数記録に並んだカイル・ブッシュは「ジョー・ギブス・レーシングのみんなには感謝してもしきれない」と勝利の喜びを語った。
「このカムリを最高のクルマに仕上げるため、チームスタッフ全員が懸命に働いてくれた。これまでのところ、今シーズンは順調な戦いぶりだと思う」
2位はケゼロウスキー、3位はジョーンズ、4位はチェイス・エリオット(シボレー・カマロZL1)だった。
カップシリーズ決勝前日の1日(土)に行われたNASCARエクスフィニティ・シリーズでは、コール・カスター(フォード・マスタング)が優勝。トヨタ・スープラ勢ではクリストファー・ベルの5位がベストリザルトだった。
2019年のモンスターエナジーNASCARカップ、第15戦は6月9日、ミシガン州ブルックリンのミシガン・インターナショナル・スピードウェイで行われる。