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カネカ、パタハラ疑惑で公式見解「退職強制の事実は一切ございません」 有休取得阻止の疑惑には言及せず

2019年06月06日 14:40  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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カネカ元社員の男性の配偶者が、男性が在職中、育休取得の報復に転勤を命じられたなどとSNSで主張していた騒動を受け、同社は6月6日、企業サイトに「当社元社員ご家族によるSNSへの書き込みについて」という文書を掲載した。2日に弁護士を含めた調停委員会を立ち上げて調査した結果、「当社の対応に問題は無いことを確認した」と主張した。

同社の広報担当者は3日、キャリコネニュースの取材にSNS上の投稿について「弊社宛ではないのでコメントできない」と答えていたが、日経ビジネスの報道によると同日、角倉護社長が社員らに送ったメール内で「当該社員に誤解を生じさせたことは配慮不足だった」と、社員だったことを認めていた。

「希望を受け入れるとけじめなく着任が遅れると判断した」


今回発表した文書では、「転勤の内示は育休取得への報復」とする元社員らの主張を「見せしめではありません」と否定。「退職を強要された」という主張も、

「元社員から5月7日に、退職日を5月31日とする退職願が提出され、そのとおり退職されております。当社が退職を強制したり、退職日を指定したという事実は一切ございません」

と否定した。

同社のルールでは、内示から発令までが1週間、発令から着任まで1~2週間程度必要になる。元社員の異動は育休取得前に検討されていたが、「本人へ内示する前に育休に入られたために育休明け直後に内示することとなってしまいました」と説明する。「内示から発令までの期間は4月23日から5月16日までの3週間であり、通常よりも長い」とも記している。

元社員から要請された着任日の延期を承諾しなかった理由については、

「元社員の勤務状況に照らし希望を受け入れるとけじめなく着任が遅れると判断して希望は受け入れませんでした」

と説明している。上司は 着任後、出張を認めるなど柔軟に対応しようと考えていたというが、元社員からは「連休明けの5月7日に、退職日を5月31日とする退職願が提出された」ため、この後は転勤についての話がされなかったという。「このため元社員は転勤に関しての種々の配慮について誤解したままとなってしまったものと思います」と推測していた。

元社員の配偶者は「内示を受けて退職までの間、有休を取得させてもらえなかった」と書いていたが、サイトに掲載された見解に、有休取得に関する言及はなかった。キャリコネニュースが同社担当者に確認したところ、

「弊社では有休の申請はシステムで処理されるので、本人が申請した分はその通り取得できる。本人から申請があった分については、退職日までに取得できている」

と説明した一方で、内示日から退職日までの間、元社員から有休の申請・取得があったかどうかについては「個人に関わることなので申し上げられない」という回答だった。