オンローク・オートモティブ改め、リジェ・オートモーティブとなったフランスのコンストラクターは6月4日、新型LMP3カー『リジェJS P320』を初公開した。
JS P320はかつてF1でも活躍した“リジェ”ブランドとその象徴となるJSの名を継ぐLMP3カーの第2世代だ。
2020年から導入される新たなLMP3規則に基づいて開発されたニューモデルは、兄貴分のLMP2カー『リジェJS P217』の意匠を汲んだ外観をまとう。
リジェによれば、ボディワークは現行LMP3カーの『リジェJS P3』から95%が作り変えられたほか、オーリンズ製ダンパーやアップデートされたニッサンのV8エンジン“VK56”に対応した冷却システムを含む、多数の改良がなされているという。
このクラスには現在、リジェの他にノルマ、ジネッタ、アデスが参入しているが、2020年レギュレーションに対応する次世代LMP3の登場はJS P320が初めて。同車は今後発表されるであろう他社のニューモデルとともに、ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズやミシュラン・ル・マン・カップ、アルティメット・カップなどに出場可能となる。
また、ACOフランス西部自動車の新しいLMP3規則はAsLMSアジアン・ル・マン・シリーズと北米のIMSAプロトタイプ・チャレンジを含む他のシリーズでは2021年からの施行が予定されている。
「2014年にリジェJS P3が設計されたとき、LMP3はル・マン24時間サーキット(=サルト・サーキット)でのレースに出場することは想定されていなかった」と語るのはリジェ・オートモーティブのデザインマネージャーを務めるニコラス・クレメンソン。
「リジェJS P320ではこのレイアウトを見直し、(サルトを含む)すべてのサーキットで効率的なクルマとするため、エアロダイナミクスの最適化を行った」
「我々はLMP2カーのJS P2および、JS P217といったスポーツプロトタイプで蓄積されたノウハウを使用して、リジェJS P3に存在したいくつかの若者の弱点を修正しより完成度が高く、そして競争力のある新型レーサーを作り上げたんだ」
そんなリジェのニューモデルは先週、マニクール・サーキットでシェイクダウンを実施済み。今週の追加テストではエアロパッケージの検証が行われる予定だという。
リジェJS P320デリバリーの開始時期はJS P3からアップデートさせるEvoキット、新型シャシーともに2019年10月から。販売価格は新車が23万9000ユーロ(約2900万円)、Evoキットは5万4900~8万9300ユーロ(約670万~1090万円)だ。