フェラーリF1のセバスチャン・ベッテルは、2019年シーズン末で引退するのではないかとの最近のうわさを否定、フェラーリでタイトルを獲得するという目標を諦めてはいないと示唆した。
昨年フェラーリは優れたマシンを作り上げ、シーズン前半はチャンピオンのメルセデスを相手に好調に戦っていた。しかしチームとベッテル自身のミスが続いて失速、再びタイトルを逃す結果に終わった。
2019年のプレシーズンテストでフェラーリは速さを発揮、チャンピオン最有力候補との予想がなされたが、開幕すると結果を出せず、第6戦終了時点では未勝利。一方のライバル、メルセデスは6戦連続優勝を達成している。
今季のフェラーリは、ベッテルのチームメイトにF1で2シーズン目のシャルル・ルクレールを抜擢。ベッテルには、非常に評価の高いルクレールと同じチームで戦うことによるプレッシャーものしかかっている。
ベッテルはフェラーリと2020年末までの契約を結んでいるが、物事がうまくいかないことに失望し、今季末で引退するのではないかといううわさが、前戦モナコGPの週末に持ち上がった。レッドブルとともに4年連続でタイトルを獲得したベッテルは、2015年にフェラーリに移籍した後、王座奪還をまだ成し遂げていない。
しかしカナダGPを前に、ベッテルは早期引退の可能性を否定する発言を行った。
「F1活動をやめる予定はない」とベッテルが語ったとAuto Bildが伝えた。
「まだとても楽しんでいるし、フェラーリでやるべきことが残っている」
「状況を好転させるため、またあらゆることを試みていきたい。カナダGPがそのスタートになるはずだ」
■「日々の努力が、2020年型マシンの開発に役立つ」とベッテル
フェラーリ代表マッティア・ビノットは、カナダにはSF90に大きな変更を施す予定はないと語っている。2018年のカナダではフェラーリとベッテルがポール・トゥ・フィニッシュを飾った。ベッテルは、今年それと同様の結果を出すのは簡単ではないものの、全力を尽くして最大のリザルトをつかみに行くと語った。
「優れたマシンだが、僕らはまだこのマシンを完全に理解していない。タイヤとの関係においてベストの形で機能させる方法を見つけることに、今シーズンは少し苦しんでいるんだ」とベッテルは言う。
「でも、日々学ぶことがあり、その知識は来年型マシンを作る上でも役立つはずだ」
「去年のカナダで、僕はポールポジションからスタートして優勝した。ジル・ビルヌーブがそこで勝ってから40年目のレースでね。今年もいい結果を出すために全力を尽くすよ」