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「マクロス」シェリル&ランカ、ワルキューレ、そして坂本真綾も! 歴代アーティストが時空を超えて共演した「MACROSS CROSSOVER LIVE」レポ

2019年06月04日 20:52  アニメ!アニメ!

アニメ!アニメ!

「MACROSS CROSSOVER LIVE 2019」スチール写真:岩本 剛(チエカジウラ 撮影)木村泰之、荒金大介(その他アーティスト 撮影)
2019年6月2日、『マクロス』シリーズの歴代アーティストが集結する「MACROSS CROSSOVER LIVE 2019」が、千葉・幕張メッセにて6年ぶりに開催された。
会場には飯島真理(リン・ミンメイ)、福山芳樹(熱気バサラ)、チエカジウラ(ミレーヌ・F・ジーナス)、May'n(シェリル・ノ ーム)、中島愛(ランカ・リー)、戦術音楽ユニット“ワルキューレ”are美雲Δ JUNNA、フレイアΔ鈴木みのり、カナメΔ安野希世乃、レイナΔ東山奈央、マキナΔ西田望見らが勢揃い。2DAYSの日程で、時空を超えたスペシャルなライブが繰り広げられた。



映画のようなオープニング映像が流れ、この日出演するアーティストの名前が映し出されたのち、そのメインスクリーンが左右に開き登場したのは飯島と福山だ。
まず2009年の「MACROSS CROSSOVER LIVE」時に飯島が作った超時空アンセム「息をしてる 感じている」を、今宵限りのアコースティックバージョンで届けていく。柔らかい光に包まれながら、スペシャルな時間の始まりが告げられると、そこに『超時空要塞マクロス』の1話アバン映像が流れる。

再び登場した飯島は、リン・ミンメイの映像やキャラクターデザイン・美樹本晴彦が描いたミンメイのイラストが映し出されるスクリーンをバックに、「私の彼はパイロット」「0-GLove」「SUNSETBEACH」をメドレーでパフォーマンス。そして「本当に可愛いミンメイが見られる曲です」と言って、自身が作った「天使の絵の具」も歌う。
バックに流れた、OVA『超時空要塞マクロス FlashBack 2012』で描かれたミンメイのライブシーンは、実際に飯島が歌っている姿と重なっていった。



さらに「この曲はいつも、初めて歌う気持ちで歌っています」と言って始まったのは、シリーズを代表する名曲「愛・おぼえていますか」だ。作詞の安井かずみ、作曲の加藤和彦はともに故人となっているが、「いつもそばに居てくれている気がします」と話す飯島はひと言ひと言大切に歌っていく。
背景には劇場版のクライマックスシーンが5つのスクリーンいっぱいに映し出され、「みんな歌って」という飯島の言葉で大合唱も巻き起こった。


続いて登場したのは、『マクロス7』からロックバンド・FIREBOMBERだ。熱気バサラの歌を担当する福山は、まず真っ赤な光の海のごときセンターステージで「突撃ラブハート」を歌い上げると、ミレーヌ・F・ジーナスの歌を担当するチエカジウラを呼び込み、コール&レスポンスをしながら「ヴァージンストーリー」をともに歌う。



FIREBOMBERは、それぞれがソロの色を魅せるというコンセプトでステージを展開していき、福山が名バラード「REMEMBER16」をバサラの映像をバックに歌うと、続いてチエカジウラのターンへ。森の中にいるような自然の音で会場の空気を一変させると、優しいメロディの「LOVESONG」「君に届け→」「PILLOWDREAM」をパフォーマンスし、それぞれの曲の世界観 をしっかりと届けていく。
映像もほとんど使わないアーティスト性を存分に出した挑戦的なステージながら、観客も大きな拍手で応えていった。

そして再び福山のソロでは、菅野よう子作曲の「ANGEL VOICE」を銀河の星々に包まれながら歌っていき、最後の「WOWWOW」は会場とのシンガロングへ。シンプルに曲の良さが伝わるステージに酔いしれたあとは再びFIREBOMBERとして、チエカジウラがメインボーカルを取る「MY FRIENDS」をセンターステージで歌い上げる。

そして2人がメインステージに揃った最後のMCでは、福山が「熱気バサラに出会えたことを宝にしてます。ミュージシャンで一番尊敬しているのはビートルズでもクイーンでもなく熱気バサラです!」と宣言。ファンへ感謝の気持ちを伝えると、最後は「PLANET DANCE」を2人で熱唱して締めくくった。



『マクロス7』のステージの余韻も残る中、ここでメインスクリーンに歌巫女(イミュレーター)・イシュタルが映し出される。「もういちどLoveYou」のイントロとともに、スペシャルゲストの笠原弘子が登場し、『超時空要塞マクロスII-LOVERS AGAIN-』最終話のクライマックスで流れた名曲を披露。
スクリーンにはその最終決戦の模様が映し出され、笠原の優しく美しい歌声が会場を包み込む。笠原は最後は「出させていただけて本当に嬉しいです。ありがとうございます」と短く語り、ステージをあとにした。


懐かしの『マクロス』関連のCMが流れた20分の休憩を挟んで、ライブも後半戦へ。TVアニメ『マクロスF』の冒頭の映像が流れたあと、「Welcome To My Fan Club's Night!」で“Sheryl on Stage!”が始まった。
May'nはシェリルらしい自信たっぷりのパフォーマンスで魅了すると、「幕張ー! 私の歌を聴け!」と叫び、「射手座☆午後九時 Don'tbelate」へ突入。“持ってけ”で会場がひとつになると、間奏ではバルキリーが宇宙空間を翔ける映像にあわせ、後方のセンターステージまで全力疾走するなど力強く歌を届けていく。



そして「みんな抱きしめて銀河の果てまで!」のセリフとともに、もうひとりの歌姫ランカ・リー=中島愛も登場する。
「星間飛行」は、SDキャラのランカのダンス映像や、12話「ファステスト・デリバリー」のライブ映像とともに披露。5話のショッピングセンターの路上ライブを思い出す「What 'bout my star?@Formo」は、中島の歌から始まりサビではセンターステージからMay'nの歌声が聴こえてくる。



そして「今日はできる限り、シェリルとランカのステージを楽しんでほしいと思います。私たち去年、久しぶりにシングルを出したんですけど、ライブでやるのはこれが初めてです」という中島のトークのあとには、新曲「Good job!」をお披露目。何年経っても変わらない、2人のケミストリーの素晴らしさを存分に見せつけた。

するとここで、『劇場版マクロスF~サヨナラノツバサ~』からランカの告白シーンが流れ、映像と歌がシンクロしていく。告白からの「放課後オーバーフロウ」で感情が溢れるような歌声を響かせると、「たとえ私が死んでも歌は死なない!」という劇中のシェリルのセリフを挟み、「ノーザンクロス」の力強いアカペラから始まる「娘々FinalAttack フロン ティア グレイテスト☆ヒッツ!」へ。
最後は映画のクライマックスで流れた「サヨナラノツバサ~theendoftriangle」で飾られ、歌い切ったあとには客席からは大きな大きな拍手が。



MCでは、May'nが「『サヨナラノツバサ』を生バンドでやるのは初めて、リリースから8 年経ってお届けさせていただくことができました」と語ったほか、「これをライブで歌うことはないからレコーディング、頑張って!」と菅野よう子に言われたというエピソードも披露。
中島は「『マクロスF』の単独ライブが、いつかできたらいいなと思います!それが今の夢です」と宣言し、May'nが「言うねぇ。悪い子だ」と笑顔で応えるやり取りのあと、「Getiton~光速クライmax」のコール&レスポンスで会場をひとつにしてステージを締めくくった。


間髪入れず、『マクロスΔ』から戦術音楽ユニット“ワルキューレ”のOPムービーが流れると、“Welcome to Walkure World!”で5人のシルエットが現れ「恋! ハレイション THE WAR」へ。5人の和気あいあいとしたMCのあと、アニメのOP映像とともに「一度だけの恋なら」を歌うと、後期OPテーマ「絶対零度 ノヴァティック」へと繋げていく。



5人が長い花道に広がって歌った「破滅の純情」では、ワルキューレのエースでもあるJUNNAが圧倒的な歌唱力を武器に躍動。そのままセンターステージに辿り着くと、制作中の完全新作劇場版のタイトルがサプライズ発表され、スクリーンに『劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!』の文字が映される。
「!」マークが6つあることに引っかかったメンバーが、センターステージの目の前でライブを見ていた河森正治監督に「どういうことですか?」と質問すると、河森監督は大きな声で「見てのお楽しみです!」と返答。会場を湧かせてみせた。



ワルキューレのステージ後半は、JUNNAのパワフルなソロから始まる「ワルキューレは裏切らない」からスタート。ダンスをしながら5人の個性を爆発させると、続く「ワルキューレがとまらない」ではライブならではの自由なパフォーマンスで楽しませる。

「マクロスの一員になれて幸せです。マクロスが100年以上続くように、『マクロスΔ』、引っ張っていきたいと思ってますので、ワルキューレの応援をお願いします。みんなマクロスは好きですか? その大好きな気持ちをぶつけてください! 準備はいいんかね?」というお馴染みのフリから入った「ルンがピカッと光ったら」では、鈴木が煽りの才能をいかんなく発揮。花道を全力で往復しながら歌ったりするなどこちらもエースとして躍動し、最後は「ゴリゴリアタック!」とみんなで叫んでフィナーレを迎えた。

……と思いきや、最後の最後にスペシャルゲストとして坂本真綾が登場。さすがの人気ぶりと存在感で会場を湧かせると、『マクロスF』のOPテーマ「トライアングラー」を熱唱。ものすごい盛り上がりの中でライブ本編を締めくくった。



アンコールでは、時空を超えたクロスオーバーライブが実現。チエカジウラと中島による「アイモ~鳥のひと」、May'nとワルキューレによる「いけないボーダーライン」に、観客も最後の力を振り絞って声を上げてライブを楽しむ。


そしていよいよ、本当の最後の曲の前に土井美加(早瀬未美沙)のナレ ーションで、この日の出演キャラクターの名前を読み上げていく感動的な演出が飛び出す。そして飯島がセンターステージに現れ、「今日は、『マクロス』に素晴らしい楽曲たちを書いてくださった羽田健太郎さんの13回目のご命日です。なので今日は 出演者全員、心を込めてこの曲を天国のハネケンさんに届けたいと思います」と挨拶。『超時空要塞マクロス』のエンディングテーマ「ランナー」が歌われた。

この日の出演者全員で歌を繋いでいくなか、スクリーンにはテレビ版のエンディン グを思い出させるようなフォトアルバムをめくる実写映像が流れていく。そこには、『マクロス』シリーズそれぞれのイラストが写真のように貼られており、最後のページには羽田の笑顔の写真も。
多くの感動を生んだ「MACROSS CROSSOVER LIVE 2019」は、これをもって幕を下ろした。

2019年6月2日セットリスト
M1 息をしてる 感じている
M2 メドレー:私の彼はパイロット~0-G Love~SUNSET BEACH
M3 天使の絵の具
M4 愛・おぼえていますか

M5 突撃ラブハート
M6 バージンストーリー
M7 Remember 16

M8 LOVE SONG
M9 君に届け
M10 PillowDream

M11 Angel Voice
M12 My Friends
M13 プラネットダンス

M14 もういちどLove You

~20分休憩タイム~

M15 Welcome To My Fanclub’s Night!
M16 射手座☆午後九時Don’t be late
M17 星間飛行
M18 What ‘bout my star? @Formo
M19 good job!
M20 放課後オーバーフロウ
M21 娘々Final Attack フロンティアグレイテスト☆ヒッツ
M22 サヨナラノツバサ~the end of triangle
M23 Get it on~光速クライmax

M24 恋! ハレイションTHE WAR
M25 一度だけの恋なら
M26 絶対零度θノヴァティック
M27 破滅の純情
M28 ワルキューレは裏切らない
M29 ワルキューレがとまらない
M30 ルンがピカッと光ったら

M31 トライアングラー

~アンコール~

M32 アイモ
M33 いけないボーダーライン
M34 ランナー
写真:岩本 剛(チエカジウラ 撮影)木村泰之、荒金大介(その他アーティスト 撮影)