IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権は6月1日、デトロイトのベルアイル・パークで第5戦デトロイトが行われ、前戦ミド・オハイオで今季初優勝を挙げたアキュラ・チーム・ペンスキーの6号車アキュラARX-05(ファン・パブロ・モントーヤ/デイン・キャメロン組)が勝利、2連勝を飾った。
今戦は第3戦ロング・ビーチ以来、2度目のNTTインディカー・シリーズとの併催イベント。そのためスケジュールが変則的となり、100分間の決勝レースは土曜に行われることとなった。
その決勝はどんよりとした曇り空の下でスタートが切られると、7号車アキュラARX-05とともにフロントロウを独占した6号車アキュラが無難な蹴り出しで首位をキープ。一方、エリオ・カストロネベス繰る7号車はやや出遅れ、反対に好スタートを切ったジョナサン・ボマリートのマツダチーム・ヨースト、55号車マツダRT24-Pにポジションを奪われてしまう。
直後、混走するGTデイトナクラスのスタートでアクシデントが発生したため、レースは1周目からフルコースコーションとなった。。リスタート後、7号車アキュラを交わして3番手となっていたウェレン・エンジニアリング・レーシングの31号車キャデラックDPi-V.Rが55号車を攻略して2番手に浮上する。
スタートから30分、3番手となったボマリートがトラフィックに引っかかった31号車キャデラックを逆転。直後に2度目のコーションとなり、マツダの77号車を除くすべてのDPiがピットに入った。
ピットアウト後のトップは77号車マツダ。2番手に7号車アキュラがつけ、6号車は3番手にポジションダウンした状態で3回目のリスタートを迎える。ここでモントーヤからキャメロンに交代した6号車アキュラが速さをみせる。レース再開直後に僚友7号車を交わしたキャメロンは続けて77号車マツダに襲いかかると、これを難なく攻略してトップに立った。
チェッカーまで残り40分、各車が最後のピットインを済ませた直後に今レース4回目のコーションが導入される。レースはラスト30分のスプリントレースとなるが、このリスタート時にハリー・ティンクネル駆る55号車マツダが、前を走る31号車キャデラックに強襲して2番手に浮上してみせる。
しかしその直後、4番手から前を伺うJDCミラー・モータースポーツの84号車キャデラックDPi-V.Rがコーナーの侵入で止まりきれず55号車マツダのリヤサイドにヒット。これにより弾き飛ばされた55号車はタイヤバリアにクラッシュを喫し、そのままリタイアとなってしまった。
■DPi、GTD、両クラスとも1位と2位の差はわずか0.8秒
5度目のコーションの後、レースは残り22分で再開される。トップは6号車アキュラ、これに7号車アキュラが続きペンスキーのワン・ツー体制が築かれるが、リスタートから4分後、フェリペ・ナッセがステアリングを握る31号車キャデラックが7号車を交わして2番手となると、除々にトップとの差を縮めていく。
だが、キャメロンも負けじとペースを上げてこれを牽制。結局、ファイナルラップまで続いたバトルを6号車アキュラが0.820秒差で制し、前戦ミド・オハイオに続く2連勝を達成した。好ペースを見せながら首位を捉えきれなかった31号車キャデラックが2位、3位には7号車アキュラが入っている。
レース中盤にラップリーダーとなった77号車マツダはオリバー・ジャービスのスピンもあり総合10位でフィニッシュ。コア・オートスポーツの54号車ニッサンDPiは総合7位でレースを終えている。
GTDクラスではパーク・プレイス・モータースポーツの73号車ポルシェ911 GT3 Rがレース序盤をリードする。しかし、マイヤー・シャンク・レーシングの86号車アキュラNSX GT3 Evoのクラッシュによって出された3度目のコーション明けに、エイム・バッサー・サリバンの14号車レクサスRC F GT3に交わされ2番手に後退。
トップに立った14号車レクサスのジャック・ホークスワースはその後、危なげない走りで後続を抑えこちらも前戦に続く連勝を飾っている。また、レクサスは僚友12号車もクラス3位に入りダブルポディウムを獲得している。ポールシッターの73号車ポルシェは終盤追い上げるも、0.8秒届かず2位に終わった。
IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の次戦、第6戦グレン6時間は6月28~30日、ニューヨーク州のワトキンスグレンで行われる。