エアトリは6月3日、「終身雇用」に関するアンケート調査を発表した。調査は5月21日から24日にかけて行われ、20代~70代の男女825人から回答を得た。
終身雇用制度の廃止を「とても不安」と回答した正社員は23.6%だった。「やや不安」の27.0%と合わせると半数以上が不安を抱いていた。一方、「不安ではない」と答えた人は29.8%だった。
終身雇用「賛成」50代が最多「生活が安定するので勤労意欲が衰えない」
終身雇用の廃止に不安を覚えるかどうかは、定年後にやりたいことがあるかどうかによっても変わるようだ。
やりたいことがある人の中で、終身雇用廃止を「とても不安」「やや不安」と回答したのは46.4%だったのに対し、やりたいことがない人は57.5%。10ポイント以上の差が出た。定年後にやりたいこととして最も多く支持されたのは「旅行」(90.3%)で、2位「運動」(30.9%)、3位「食べ歩き」(30.5%)だった。
終身雇用制度そのものへの賛否も聞いた。「賛成」が最も多かったのは50代(44.4%)で、2位は60代以降(41.1%)だった。賛成者からは、
「雇用が確定しているということは、会社に対する忠誠心が旺盛で働く意欲が継続して会社に対する貢献度が持続していく。生活が常に安定しているので勤労意欲が衰えない」(70代・男性)
「現在、50代半ばなので、終身雇用以外のことを改めて考える気になれない」(50代・男性)
「長期的に収入の見込みがあってこそ人生設計が立てられるから。それがおぼつかなければ家族計画も住居計画も立てられない」(60代・男性)
などの声が寄せられた。一方、20代~30代の若年層の「賛成」の割合は31.9%と、全ての世代の中で最も低かった。
自由に定年を決めて良いとしたら何歳まで働きたいか聞いたところ、最も多かったのは「65歳以上70歳未満」(26.1%)だった。しかし、65歳以上の人と「一緒に働きたい」と回答した人は、若くなればなるほど減っていき、60代以降が43.8%、50代では40.9%、40代では39.1%、20代~30代では32.4%だった。20代~30代では「できれば一緒に働きたくない」「絶対一緒に働きたくない」と回答した人も18.3%いた。