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米ディズニーランドの『スター・ウォーズ』新エリアが大好評 先進的なテクノロジー&映画未登場の惑星も

2019年06月04日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

 米国カリフォルニアのディズニーランドは5月31日、世界歴代2位の興行収入を記録する映画『スター・ウォーズ』をテーマにした新エリア「Star Wars: Galaxy’s Edge(スター・ウォーズ:ギャラクシーズ・エッジ)」をオープンした。


(参考:『スター・ウォーズ』シリーズはなぜ高いクオリティを維持できる? キーマンが語る制作の裏側


■開園待つ長蛇の列が
 14エーカーという巨大なエリアは、ディズニーパークが過去に手掛けた単独のテーマとしては最大だ。その世界観は圧巻で、映画で見覚えのある場面のディテールが再現されており、ファンをSFの世界に没入させる。また、映画には登場していない惑星というディズニーランドだけの設定もある。目玉アトラクションである『Star Wars: Rise of the Resistance(スター・ウォーズ:ライズ・オブ・レジデンス)』は、2019年秋以降オープン予定だ。


 現在人気なのは、ハン・ソロを船長とした宇宙船ミレニアム・ファルコンだ。実物大のものが内部まで一般公開されることは、今までまずなかった。


 米国メディアThe Hollywood Reporterは、開園日の様子について「オープニングの日、『スター・ウォーズ:ギャラクシーエッジ』への入場のために、ディズニーランド中に長蛇の列が出来た」と報じた。


 現在は開園直後の混乱を避けるために完全予約制で、1人4時間までの制限がある。長期的には予約は不要だが、容量オーバーになった場合は、入場を制限する可能性もあるという。8月29日にはフロリダのウォルト・ディズニー・ワールドでもオープンする予定だが、混雑がどのくらい緩和されるかが注目だ。


■ディズニー社はなぜ『ディズニーランド』に力を入れる?
 2012年、ウォルト・ディズニー社が映画監督ジョージ・ルーカス氏から、スター・ウォーズの製作会社であるルーカスフィルム社を40億5000万米ドルで買収したが、そのときからテーマパークの開設は既定路線だったのかもしれない。構想から5年の歳月をかけ、ようやく実現にこぎつけたというわけだ。カリフォルニア版の総工費は10億米ドルで、ウォルト・ディズニーCEOボブ・アイガーは、「最も先進的なテクノロジーが使われたアトラクション」と自負している。


 そして、同社が『ディズニーランド』に力を入れるのには理由がある。米メディアCNNは、「長年主力だったメディア事業は、2015年に最高益を記録したが、Netflix等とのし烈な競争で環境は厳しく15%の減益に転じている。同時期『ディズニーパーク・リゾート』関連の収益は47%増加しており、この投資は不思議ではない。巻き返しを図るためにテーマパークが必須になる」としている。


■長期的な“宇宙需要”を取り込むか
 『スター・ウォーズ』は宇宙を舞台にしたSF映画だが、日本では宇宙の話題として「ホリエモンロケット」が盛り上がったのも記憶に新しい。インターステラテクノロジズ(IST)の小型ロケット「MOMO(モモ)3号機が、5月4日に北海道大樹町から打ち上げられ、民間単独のロケットとして国内で初めて高度100KMの宇宙空間に達した。


 宇宙事業は従来、国家プロジェクトで、宇宙飛行士に多くの大衆が注目したが、将来的には、一般市民が宇宙旅行をする時代も到来するだろう。ウォルト・ディズニーとスター・ウォーズが創り出したリアルな宇宙空間である『スター・ウォーズ:ギャラクシーズ・エッジ』は、映画ファンのみならず、宇宙に行きたいという願望を抱く子供たちが多く訪れ、さらなる最新技術や映画の世界観を体験できる場所として、大きな役割を果たす可能性もありそうだ。


(Nagata Tombo)