フェラーリは、2019年のF1のeスポーツシリーズに参戦することを決定した。フェラーリがeスポーツで他のチームと争うのは、これが初めてのこととなる。
2018年までは、フェラーリはF1に参戦する10チームのなかで唯一このシリーズに参加していなかった。その2018年シーズンは、eスポーツにおいてもメルセデスのドライバーがチャンピオンとなっている。
F1のeスポーツシリーズの代表を務めるジュリアン・タンは、フェラーリがeスポーツシリーズに参戦するという決断は、eスポーツにとっての“重要な節目”だと歓迎した。
「F1に参戦する全10チームが、レース以外で集まる初めてのプロジェクトのひとつだ」とタンは語った。
「フェラーリがシリーズに参加してグリッドが埋まることに、我々は本当に興奮している。これは、我々のやっていることの信頼性を確実なものにするための新たな一歩だ」
「F1の全チームがこの構想のなかにいるのを目にするのは、本当に素晴らしいことだ。彼らはF1のなかにあるeスポーツの非常に大きなポテンシャルを見ることになる」
「また彼らは、新しいオーディエンスにはたらきかけるという我々の大きな目的の一部であるこのプログラムの重要性を認識しているだろう」
当初フェラーリは、前チーム代表のマウリツィオ・アリバベーネがF1の最大の脅威はプレイステーションでの争いだと示唆していたこともあり、eスポーツ参戦には否定的だった。しかしアリバベーネの後任であるマッティア・ビノットは最近になって、フェラーリはeスポーツシリーズへの参戦を“真剣に”考えていたと明かした。
eスポーツ参戦を決めたフェラーリは、来月行われるプレドラフトに参加できるようになる。このプレドラフトでは、オンライン上で行われた予選で好成績を残した候補者のなかから、チームがこのシリーズで起用するドライバーを選択することができる。
なお2018年シーズンの参加者のうち、どれだけのドライバーが2019年も参加するのか、また昨年のチャンピオンであるブランドン・リーが今年も参加するのかどうかは、わかっていない。
タンは今年の参加者について、“現時点では公表しない”としながらも、「数人は知っている顔を見ることになると予想できる」と話している。
「10チームが参加することになったので、ドラフトはより大きなものになっていくだろう。全チーム、少なくともひとりのドライバーを選択することになる」
チームがドライバーを選択した後は、9月から12月までの間に4回のライブイベントにおいて、戦いを繰り広げることになる。舞台となるコースはもちろん、現行のF1カレンダーにあるサーキットだ。
F1は、このシリーズの賞金を50万ドル(約5400万円)にまで引き上げることを発表している。なおタンは、「シーズン3はより大きく、より良いものになる」と約束している。