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F1モナコGP技術解説:マシンにダメージを負ったルクレールは、どれほどのダウンフォースを失ったのか

2019年06月03日 11:41  AUTOSPORT web

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2019年F1第6戦モナコGP 右リヤタイヤのパンクでマシンに大きなダメージを負ったシャルル・ルクレール
F1第6戦モナコGP決勝レースでフェラーリのシャルル・ルクレールは序盤20周目に、リタイアせざるを得なかった。フロアに深刻なダメージを負ったのが直接の理由だった。

 レース序盤、ルクレールがルノーのニコ・ヒュルケンベルグをオーバーテイクしようとした際に接触し、それによって右リヤタイヤがバースト。ちぎれたタイヤ構造が激しくフロアを打ち付けたのだ。これでフェラーリはダウンフォースを、致命的に失った。

 リタイア後、ルクレールはこう語っている。

「そのままレースを続けることが、まったく不可能だったわけじゃない。でもタイヤ交換してそのあと何周か走ったけど、ものすごく運転しにくいクルマになってた。少しでもダウンフォースを回復させようとフロントウイングを少し調整したけど、そんなんじゃとても足りなかった」

 フロアの損傷は、それほど空力に多大な影響を及ぼすのである。何しろ多くの空力デバイスの中で、最も大きなダウンフォースを発生するのはフロアなのだから。以下の表は、F1Technical.comがまとめた、ダウンフォースとドラッグの大まかな相関関係を示したものだ。

マシンの部位ダウンフォースドラッグフロントウイング25%20%前輪およびフロントサスペンション-2%10%カウル-10%10%フロアおよびディフューザー65%15%後輪およびリヤサスペンション-3%15%リヤウイング25%30%

 フロアにあれだけのダメージを負ったフェラーリでは、もはや走り続ける意味がない。それがこの表で、よくおわかりいただけるのではないだろうか。