ロバート・クビサは、F1モナコGPでは難易度の高い市街地コースでのレースとなるため、彼の身体能力に疑問を持つ人々の監視にさらされることを承知していたという。しかし、彼は当地で十分な走行を見せたと考えている。
2011年のラリーでの事故により、クビサの右手の機能は損なわれてしまった。彼はほとんどのコースでその身体的制限の対処に役立つ方法を見出してきたが、モナコのタイトで曲がりくねったレイアウトは大きな難題になると見られていた。
しかしながらクビサはモナコにおける試練を見事に乗り越えて見せた。
「モナコでは問題はないと分かっていた」とクビサは語った。
「基本的には多くの人々が、僕がステアリングを切ることすらできないと考えていたと思う」
「簡単な状況でないなか、僕は非常に上手くやったと思うし満足している。もちろん、最終結果はもっと良いものにできたかもしれないが、レースではこういうこともある」
「人々はターン1が僕にとって問題になるだろうと言っていた。僕はすべてのレースのターン1やオープニングラップで上手くやってきた。そこにはレースの本能のようなものがあるんだ」
クビサは実際に強力なスタートを切り、チームメイトのジョージ・ラッセルとアルファロメオのアントニオ・ジョビナッツィを、オープニングラップでオーバーテイクしている。
ジョビナッツィの無理なオーバーテイクにより、ラスカスで彼と接触してしまったクビサは順位を落とし、挽回は非常に難しい状況になった。
「これはレースだ。この状況でできることはそう多くない。ときにはこんなこともあるさ」とクビサは語った。
「スタートで僕はふたつ順位をあげた。オープニングラップでは、タイヤとペースの管理をしっかりと行なわなければならない」
「セーフティカー導入後は彼らを後ろに抑えていることができたが、ピットインしなければならないことは分かっていた」
「雨が降る可能性が少しあったので、僕はステイアウトすることにした。雨は降ったがほんの少しだった。このケースでは、僕たちの戦略には効果がなかったというわけだ」