共働きにしろ夫の稼ぎだけにしろ、世帯年収800万円は比較的余裕があるように思われます。確かに国税局の調査(2017年)では、「児童のいる世帯」の平均年収は739.8万円ですから平均を上回ってはいますが、実際には不満が多いようです。
5月29日のキャリコネニュースが「"家計の不安"が和らぐ目安は世帯年収800万円」(カラダノート調べ)との調査結果を伝えると、「年収850万円でも不安だらけ」「全然和らがない」といった反論が、ガールズちゃんねるに多数寄せられました。コメントは翌日に続き1700を超える注目ぶりです。(文:篠原みつき)
「不安だから夫も私も必死に働いて何とか800万だけど、いつ下がるか分からない」
記事では、低年収世帯ほど不安が大きく、「世帯年収800万円~900万円からが家計が不安と感じる人が半数を下回る」のほか、「年収800万円世帯は共働きが多く、夫婦2人で働くことでリスク分散できている」などとしていました。
年収が高いほど不安が和らぐのというのは当然といえば当然の結果ですが、問題はその金額です。ガルちゃんのコメントには、「正直800万じゃ子供いたら足りない」と訴える人が相次ぎました。
「うちまさに800世帯だけど普通にキツいよ 塾代3万払うのキツくて悩んでる」
「手取りが800万なら納得だけど、総支給額800万だと全然足りないんだが」
「和らがないよ。不安だから夫も私も必死に働いて何とか800万だけど、いつ下がるか分からない」
「余裕がないからこそ共働き」と、皆さん一様に不安を訴えています。「女も仕事辞めちゃダメだよね。 これからどんどんどんどん税金上がるよ」と脅すような声や、「年金が期待できないのも大きいよね。老後資金を考えるといくら貯めても足りない気がする」と絶望を語る人も。5月22日には、金融庁が公的年金では足りないからと自助努力を薦め出していますから、不安は広がる一方です。
「今月から残業禁止になって給料かなり下がる。もうやってけない」
一方で、「年収800万なら二人育てられるよ!ただ、キツイってだけ」と励ます声もありました。「やや都会」で周囲も800万くらいと書いた人は、「専業主婦はいないけど、みんな持ち家で車もあるし旅行も行ってるよ。 800万あれば大丈夫だよ」とのこと。
地方によっても経済状況は違い、「私田舎に住んでるから周りの人たち世帯年収400万行くか行かないかで子供2人とかいる人いっぱいいるよ」という声も。
実際、年収800万円世帯では衣食住に困ることはないでしょう。問題は、子どもの教育費や老後の費用、上がり続ける税金など先々に対する不安です。コメントには、
「今月から旦那の会社が残業禁止になって給料かなり下がる。もうやってけない。喧嘩も増えた。お金ないと本当に心が荒む」
と嘆く人も。残業規制といえば、5月14日放送のNHK『クローズアップ現代+』では、70万円ほどだった月収が働き方改革で40~50万円減り、住宅ローンが払えなくなったサラリーマンが紹介されていました。
どんなことで収入が減るか分からず、見通しが立たない現状が「年収800万円でも足りない」というよりは、「いくらあっても不安(無ければ余計)」につながっているのでしょう。