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『インハンド』要潤、知的さとユーモアを併せ持つ唯一無二の魅力 期待される山下智久との再共演

2019年06月01日 06:11  リアルサウンド

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 山下智久が主演を務めるドラマ『インハンド』(TBS系)の第8話に要潤がゲスト出演した。


 要が演じるのは、紐倉哲(山下智久)の大学の同期で、経産省のアドバイザーを務める遠藤匡晃。昔から紐倉を一方的にライバル視している遠藤は、今でも対抗心を剥き出しにし、何の因果か紐倉と同じ事件を担当することとなる。遠藤は、何かと回りくどく、ちょっと面倒なタイプの男。紐倉が巨大企業・キガシマホールディングス後継者の自殺の謎について調べていることを知った遠藤は、「君は一切手を出すな」と紐倉の耳元で囁く、バチバチと火花を散らす関係性だ。紐倉も内閣官房サイエンス・メディカル対策室に訪れてまで自身のプロジェクトの説明を回りくどくする遠藤にツッコミを入れ、「いつまでここにいるつもりだ」と意見する。


 しかし、2人を見ていると犬猿の仲……とまでは言いづらく、喧嘩するほど仲がいいという言葉がぴったりな、絶妙な関係性であることが段々と分かってくる。鬼の血、そして遺伝子と環境を巡る事件の解決に協力した紐倉に、遠藤が長文の回りくどいメールを送るが、「最後に今回はありがとう」と添えられているところが、なんともほっこりするラストだ。


 要潤と言えば、前シーズンの朝ドラ『まんぷく』(NHK総合)で香田忠彦を演じていたことも記憶に新しい。香田は、ヒロイン・福子(安藤サクラ)の姉・克子(松下奈緒)の夫という立場。ストーリー序盤では鳥の絵を描く売れない画家であったが、戦争で目を負傷し、赤と緑の色の区別がつかなくなってしまってからは先鋭的な抽象画を描くようになり、一躍売れっ子画家に。妻・克子が呆れるほどに鈍感で芸術肌なのは一貫しているが、戦争を経験してからは家族への比重をより大きくし逞しく生きていく、冷静沈着でありながらも創作の中に情熱を見出すような人物であった。


 『インハンド』のプロデューサー・浅野敦也は、知性を持つエリートでありユーモラス、奥深さも併せ持つ遠藤匡晃に要潤を抜擢した理由を「端正かつ上品な風情を持ちつついろんなタイプのお芝居が出来る」とコメントしている。『仮面ライダーアギト』(テレビ朝日系/2001年~2002年)でデビューを飾った要はこれまで多方面に渡り、数多くの役柄を演じてきた。2011年には地元である香川県のPR大使・うどん県副知事に任命されたことも。そんなクールとユーモアの両極を内に秘めている要は、まさに遠藤匡晃を演じる適任の役だ。


 ライバル関係にあった山下とは、意外にも今回が初共演。要の「今回は紐倉にかわされる役だったので、またいつか別の役柄でもがっつりご一緒してみたいです」というコメントに、いつかまた2人の掛け合いが見られることを期待してしまう。(渡辺彰浩)