2019年のモンスターエナジーNASCARカップは5月26日、ノースカロライナ州コンコードのシャーロット・モーター・スピードウェイで第13戦が行われ、マーティン・トゥルーエクスJr.(トヨタ・カムリ)が優勝した。
前週の18日には賞金を賭けたオールスター戦が同地で行われた2019年のNASCAR。このオールスター戦ではカイル・ラーソン(シボレー・カマロZL1)が優勝、2位にケビン・ハービック(フォード・マスタング)、3位にカイル・ブッシュ(トヨタ・カムリ)が続いた。
ふたたびシリーズ戦となった第13戦は、NASCARシリーズ最長の600マイル(約960km)で争われる1戦で、1.5マイル(約2.4km)のオーバルを1ステージ100周、4ステージ合計400周で争われた。
ウイリアム・バイロン(シボレー・カマロZL1)を先頭にスタートしたレース1は、トヨタ陣営にタイヤトラブルが頻発。22周目にはエリック・ジョーンズ(トヨタ・カムリ)、49周目にはマット・ディベネデット(トヨタ・カムリ)が右フロントタイヤのトラブルを抱えてしまう。
ディベネデットは走行を続けられたものの、ジョーンズはマシンへのダメージが大きく、早々にレースを終えることとなった。
また73周目にはラップリーダーだったトゥルーエクスJr.がウォールにマシンをヒットさせて、右フロンタイヤがパンク。緊急ピットインしたため、上位争いから後退してしまった。
このステージ1はブラッド・ケゼロウスキー(フォード・マスタング)が勝利。2位にデニー・ハムリン(トヨタ・カムリ)、3位にカイル・ブッシュが続いた。
続くステージ2はハムリンがラップリーダーを務めてレースは進んでいったものの、160周目にウォールへヒット。右フロントにダメージを負い、ピットでの作業を強いられてしまった。
結局、このステージ2もケゼロウスキーが制して、2ステージ連続のトップチェッカー。2位にアレックス・ボウマン(シボレー・カマロZL1)、3位にカイル・ブッシュが続いた。
ステージ3は、レース序盤に大きくポジションを落としていたトゥルーエクスJr.が粘りの追い上げをみせると、ステージ中盤には首位を走っていたカイル・ブッシュとトップ争いを展開。この戦いを制したトゥルーエクスJr.が4.239秒の大量リードでトップチェッカーをうけている。
迎えた最終ステージ4は、オースティン・ディロン(シボレー・カマロZL1)やラーソンが絡むクラッシュでイエローコーションが出されるなか、トゥルーエクスJr.が上位を展開。343周目にはふたたびラップリーダーの座を奪ってみせる。
レースは残り10周を迎えたところで、ケゼロウスキーがタイヤバーストから単独スピンしたため、イエローコーション。残り5周のスプリントバトルで再開された。
このイエローコーションでステイアウトを選択したデイビッド・レーガン(フォード・マスタング)とライアン・ニューマン(フォード・マスタング)がフロントロウ。その後方にトゥルーエクスJr.、カイル・ブッシュがつける。
リスタート直後のバックストレートでは、この4台が横並びでバトルを展開すると、ターン3~4への進入でもっともイン側についていたトゥルーエクスJr.が、ターン4立ち上がりでロガーノにリヤを押されながらもトップへ浮上。そのまま逃げ切り2019年シーズン3勝目を挙げた。
レース序盤、タイヤトラブルからの復活劇を演じたトゥルーエクスJr.は「なんてレースだ! 本当に信じられない気分だ」と喜びを爆発させた。
「最高のチームと戦えたし、誰ひとりとして諦めなかった。(ステージ1で)ウォールにヒットしたとき、今日のレースは終わったと思ったよ。それでも、誰ひとりとして諦めず、戦い続けて、この結果を掴んだんだ」
「(最後のリスタートでは)一番ボトム(イン側)につくしかチャンスはないと思っていた。ターン4でなんとかカーナンバー22(ロガーノ)の前に出ることはできたけど、リヤバンパーに軽く接触されたよ」
「僕のマシンは少しスライドしたけど、なんとか体勢を保って、ポジションを守りきることができた」
併催されたNASCARエクスフィニティ・シリーズではタイラー・レディック(シボレー・カマロ)が優勝。トヨタ・スープラはジェフリー・アーンハートの3位が最上位だった。
2019年のモンスターエナジーNASCARカップ第14戦は6月2日、ペンシルバニア州ロングポンドのポコノ・レースウェイで行われる。