6月12~16日に開催される第87回ル・マン24時間レース、それに先立って行われる2日のテストデーを前に、出場する各チームから続々とスペシャルカラーリングが発表されている。
4台それぞれに異なるカラーリングを施すことを明らかにしたフォード陣営に続いて、2019年ル・マンでのデザインを発表したポルシェの911 RSRは、ポルシェワークスのデザインはそのままにカラースキームが変更された。
ポルシェは昨年、創設70周年のセレブレートデザインとして往年のピンク・ピッグカラーを92号車に、ロスマンズカラーを91号車911 RSRに施し、この2台が見事LM-GTEプロクラスでワン・ツー・フィニッシュを飾っている。
ル・マンでの大量得点に加え、その後の活躍によってチームはWEC世界耐久選手権第7戦スパで、最終戦ル・マンを待たずにマニュファクチャラーズタイトルを獲得。通常はレッドの部分がゴールドとなる新カラーリングは、このタイトル獲得を祝う意味を込めたものだ。
なお、92号車ポルシェを駆るマイケル・クリステンセンとケビン・エストーレ、91号車のリヒャルド・リエツ、ジャンマリア・ブルーニ組はドライバーズランキングでも現在ワン・ツーとなっており、ル・マンでのダブルタイトル獲得も期待される。
そのポルシェの3台目、4台目としてル・マンに出場する“北米組”93号車と94号車は、昨年のワークスカラーから一転、2019年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権開幕戦デイトナ24時間と第2戦セブリング12時間で採用されたブルモスカラーでの登場となる。
ベースカラーのホワイトにブルーとレッドが差し込まれる、伝統的なカラーをまとったポルシェの使い手としてよく知られるのはブルモス・レーシングの共同設立者でもあるハーレー・ヘイウッドだ。3度のル・マンウイナーで、ブルモスカラーのポルシェでデイトナ24時間を2回制しているヘイウッドは、第87回大会のグランドマーシャルを務めることがすでにアナウンスされている。
■ELMSから参戦のフェラーリ勢もニューカラーを公開
フォード、ポルシェに続きル・マンでの特別カラーを公開したのはELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズからの挑戦者であるJMWモータースポーツとケッセル・レーシングだ。
2017年のLM-GTEアマクラス優勝チームであるJMWは今季、ジェフリー・シーガル、ロドリゴ・バピティスタ、ウェイ・ルーというトリオで2年ぶりのル・マン優勝を目指す。そんなチームが走らせる84号車フェラーリ488 GTEは特徴的なカモフラージュ柄を採用。
そのカモフラージュの柄となっているのはサルト・サーキットのコース図をはじめ、ELMSが開催サーキット、フェラーリの象徴である跳ね馬のロゴなど、見る人が発見する楽しみを感じられるものとなっている。
また、JMWモータースポーツと同じくELMS組でGTEアマクラスにエントリーしているケッセル・レーシングも60号車と83号車のデザインを公開した。2台のフェラーリ488 GTEにはそれぞれ、フロントからリヤにかけて色の割合が変化していくストライプが用いられる。
イタリア人トリオが乗り込む60号車ではブルーとブラックに差し込まれるカラーがオレンジになる一方、3人の女性ドライバーがステアリングを握る83号車フェラーリでは挿入色がピンクとなった。また、同車ではボンネット前方にモータースポーツ界における女性の進出を推進するFIAウェメン・モータースポーツのロゴが入っている。