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回転ブランコではしゃぐ男女と少年 ポーランド映画『メモリーズ・オブ・サマー』本編映像

2019年05月29日 15:01  リアルサウンド

リアルサウンド

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 6月1日公開の映画『メモリーズ・オブ・サマー』より、本編映像が公開された。


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 本作は、日本初劇場公開となるポーランド映画界の新鋭アダム・グジンスキ監督作。1970年代末のポーランドの小さな町で、12歳のピョトレックは新学期まで夏休みを母ヴィシャと過ごしている。父は外国へ出稼ぎ中。母と大の仲良しのピョトレックは、母とふたりきりの時間を存分に楽しんでいた。だが、やがて母はピョトレックを家に残し毎晩出かけるようになり、ふたりの間に不穏な空気が漂い始める。一方、ピョトレックは、都会からやってきた少女マイカに好意を抱くが、彼女は、町の不良青年に夢中になる。それぞれの関係に失望しながらも、自分ではどうすることもできないピョトレック。そんななか、大好きな父が帰ってくる。


 公開された本編映像では、遊園地の回転ブランコではしゃぐ男女と少年の3人の姿が映し出されている。男女と少年は親子。くるくると回転しながら、時に向かい合い、時に突き放す。3人はとても仲良くじゃれ合っていて、家族の幸福な時間を過ごしているように見えるのだが……。


 撮影を担当したのは、イエジー・スコリモフスキ監督『アンナと過ごした4日間』『エッセンシャル・キリング』や、レフ・マイェフスキ監督『ブリューゲルの動く絵』などを手がけているアダム・シコラ。グジンスキ監督は、シコラとの仕事について「ご存知の通り、彼はポーランドで最高の撮影監督のひとりです。にもかかわらず、私たちはとても親しい友人であり、感受性も近いのです。彼からもいろいろアイデアをもらい、私たちの共同作業は非常にうまくいったと思います」と語っている。


 当時のポーランドでは、ドイツ製のORWOというフィルムがよく使われていたそうで、そのフィルムで撮影したものは、全体的に黄色系統で、落ち着いた色のものが多かったことから、この映画でもこうしたフィルムと同じような色調で統一したという。(リアルサウンド編集部)