元F1世界チャンピオンのニキ・ラウダの死後、初めてのグランプリとなったF1第6戦モナコGPは、ラウダを追悼する週末でもあった。多くのとドライバーとチームがさまざまな形で、ラウダに弔意を表した。
ラウダが最後に在籍していたメルセデスは、エンジンカウルに散りばめられたスリーポインテッドスターのひとつを、ラウダのトレードマークだった赤色に染めた。メルセデスによれば、「これはモナコGPだけでなく、今後のグランプリでも続ける」という。
またメルセデスはモーターホーム内のレース鑑賞用モニターをセッション時以外はラウダ関連の画像に切り替えて、故人を偲んだ。
日曜日のレーススタート前には、1分間黙祷のセレモニーも催された。ドライバーが全員、額部分に『NIKI』と刺繍された真っ赤な帽子をかぶって参列しただけでなく、往年のドライバーもFOMが用意した赤い帽子をかぶってスタートラインに集まった。その中には、ラウダの最後のチームメイトとして、マクラーレンで2年間を過ごしたアラン・プロストがいた。プロストの横にはラウダとともにプロストがF1ドライバーとして尊敬してきたジャッキー・スチュワートがいた。
ラウダの葬儀は5月29日に、故郷オーストリアの首都ウィーンにあるシュテファン大聖堂で行われる予定となっている。棺の中で眠るラウダはフェラーリのレーシングスーツに身を包まれているという。
生前ラウダが語った名言のひとつに、次の言葉がある。
“Racing was my life...For me it was essential.”
「レースこそ、我が人生。私にとってはそれは不可欠なものだった」
享年70歳、最後まで真のレーサーだった。