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WEC:フォード、ワークス体制最後のル・マンに臨む『GT』の特別カラーを公開

2019年05月29日 11:51  AUTOSPORT web

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ル・マン、サルトサーキットで公開されたニューカラーリングをまとった4台のフォードGT
5月28日、今週末に行われるル・マンテストデーに向け、各チームのピット設営が行われているフランス・サルトサーキットで、フォードがLM-GTEクラスに投入する『フォードGT』4台のスペシャルカラーリングを発表した。

 フォードは今年4月、2016年にスタートさせたフォードGTでのWEC世界耐久選手権、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権でのワークス参戦の終了をアナウンス。2018年から翌2019年にかけて行われているWEC“スーパーシーズン”では、6月12~16日に開催される第87回ル・マン24時間が陣営にとってのラストレースとなる。

 そんなフォードは、6月2日にル・マンで行われるテストデーに先立ち、フォード・チップ・ガナッシ・チームUKおよび同チームUSAが走らせる計4台のLM-GTEプロマシンのための“セレブレーションリバリー”を公開した。そのカラーリングは1960年代のル・マンで活躍したフォード車とGTのデビューイヤーとなった2016年に成功を収めたクルマからインスピレーションを受けたものだ。

 WECにフル参戦しているチームUKが走らせる66号車(ステファン・ミュッケ/オリビエ・プラ/ビリー・ジョンソン組)は、1966年のル・マンでブルース・マクラーレンとクリス・エイモンがドライブし総合優勝を飾ったフォードGT Mk.IIをイメージしたブラック&ホワイトのボディカラーに。

 そのシスターカーである67号車(アンディ・プリオール/ハリー・ティンクネル/ジョナサン・ボマリート組)は、ダン・ガーニーとAJフォイトによってドライブされ、1967年のル・マンを制したフォードMk.IVの復刻カラーとなった。

 IMSA参戦チームでル・マンでのみWECの一戦に姿を見せることからアメリカ組とも呼ばれるフォード・チップ・ガナッシ・チームUSAの69号車(ライアン・ブリスコー/リチャード・ウエストブルック/スコット・ディクソン組)では、1966年にワン・ツー・スリー・フィニッシュを飾ったフォードGT Mk.IIの中で2位となった1号車のカラースキームを採用している。

 もう一台の68号車(ジョーイ・ハンド/ディルク・ミューラー/セバスチャン・ブルデー組)は、2016年にル・マンでデビューウインを達成した当時のブルー、ホワイト、レッドからなる星条旗カラーをまとうが、そのデザインは若干変更された。

 なお、68号車の新カラーリングはミド・オハイオで行われたウェザーテック・スポーツカー選手権第4戦で、フォード・チップ・ガナッシ・レーシングによってすでにデビューしていることが知られている。

 GTEプロクラスで3年ぶりの優勝を目指す4台のGTに加えてフォードは今回、GTEアマクラスに初めてスーパーカーベースのマシンを投入するが、同車を走らせるキーティング・モータースポーツもまた往年のマシンの復刻カラーを採用。IMSAシリーズに同チームが投入しているメルセデスAMG GT3と同様に、ウインズ・レーシングの伝統的なカラーリングが用いられる予定だ。

「2016年、フォードは1966年の素晴らしい勝利から50周年となるのを記念して、考えうる最善の方法でル・マンに戻った」と語るのは、フォードのビル・フォード会長。

「全従業員を代表してル・マンの表彰台に立つことができたことは私にとって誇りであり、この章の最後のレースに向けてチームをサポートするために2019年のル・マンに戻ることを楽しみにしている」

 また、フォード・パフォーマンスのグローバルディレクターを務めるマーク・ラッシュブルックは次のように付け加えている。

「フォードGTは、フォードを耐久レースの世界にカムバックさせるために開発されたものだ」

「このワークスプログラムでは、当社のブランドにとって大きな成功を収めることができた。同時に我々は4年間のプログラムの間に多くの課題に直面したが、それを楽しんできたんだ」

「ル・マンはワークスプログラムの終着点ではない。IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権では、まだまだ2019年シーズンが続いていくからね」