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定番化した“モデルから女優”へのキャリア 永野芽郁、新木優子、山本美月ら期待の女優たち

2019年05月29日 10:31  リアルサウンド

リアルサウンド

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 今期のドラマで活躍している女優といえば、『パーフェクトワールド』(カンテレ・フジテレビ系)の山本美月、『ラジエーションハウス』(フジテレビ系)の本田翼、『白衣の戦士!』(日本テレビ系)の中条あやみなどが印象的だろう。3人には実は共通点がある。皆、モデル出身で女優に転身しているのだ。現在も本田は『MORE』(集英社)、中条は『CanCam』(小学館)にて現役で雑誌の専属モデルを務めている。


【写真】『パーフェクトワールド』出演の山本美月


 この“モデルから女優”というキャリアは、芸能界ではもはや定番化していると言っても過言ではない。現行する雑誌の出身者では、『JJ』(光文社)の賀来千香子などがあげられ、彼女こそ赤文字雑誌出身のモデルで女優として成功した先駆者とも言える。その後、『CanCam』からは藤原紀香(過去に『JJ』在籍経験アリ)、長谷川京子、米倉涼子などを輩出しており、今でこそ、連続ドラマや映画で主演を張る女優が多くいる。こういった先輩方の築いた礎の元、現行の雑誌モデルたちは続々巣立って女優のキャリアを切り開いている。現に、山本は『グータンヌーボ2』(カンテレ・フジテレビ系)出演時に、女優になるきっかけのためにモデルのオーディションを受けたと語った。それくらいモデルと女優のキャリアを両立しているタレントは多いのだ。


■近年の雑誌モデル出身の女優たち


 現在発刊されている雑誌では、モデルと女優の両方のキャリアがある人は以下のとおり。


・「Cancam」(小学館)
卒業:藤原紀香、米倉涼子、山田優、池田エライザ、高橋メアリージュン、山本美月、久松郁実
現在:石川恋、中条あやみ、堀田茜


・「SEVENTEEN」(集英社)
卒業:北川景子、榮倉奈々、大政絢、桐谷美玲、武井咲、橋本愛、森川葵、広瀬アリス、三吉彩花、飯豊まりえ、広瀬すず、新川優愛、永野芽郁
現在:大友花恋、箭内夢菜、清原果耶、桜田ひより


・「non-no」(集英社)
卒業:りょう、小雪、夏川結衣、松雪泰子、杏、本田翼、菜々緒、佐々木希、波瑠、桐谷美玲、大政絢
現在:新川優愛、新木優子、馬場ふみか、武田玲奈


 主に雑誌モデルは、同じ出版社のティーン向け雑誌から、大学生向け雑誌、OL向け雑誌へと転向していくことが多い。都度、“卒業”と称して特集ページが組まれ、数カ月後からはお姉さん向けの雑誌の専属へと移る。上記の表でもわかるように、特に女優の排出が多いのは「SEVENTEEN」と「non-no」だ。もともと「SEVENTEEN」はティーン誌の中でもお姉さん向け、いわゆる高校生をターゲットとした雑誌である。中学生向けの雑誌は「ラブベリー」、「ニコラ」、「ピチレモン」(現在廃刊)などがあり、SNSが活発になるまでの中学生はいずれかを読み、高校生くらいに「SEVENTEEN」へと移行するのだ。そしてその雑誌でモデルに憧れ、特定の好きなモデルを応援するようになる。その中でも「ピチレモン」は現在廃刊だが、女優・俳優を排出する雑誌として定番であった。「ピチレモン」は、役者に強い芸能事務所からモデルを選ぶ傾向があり、休刊となった際の専属モデルには福原遥、上白石萌歌、岡田結実などがおり、また卒業生には矢作穂香、清野菜名など最近の連続ドラマで話題を集めた女優も多い。今でこそ、モデルの仕事には若手女優の登竜門として、ティーン雑誌を経るケースもある。


■広がるキャリアの幅


 最近はモデルから女優への転身だけではなく、モデルとほぼ同時に芝居を始める人も多い。中条はモデルはじめた同年に役者デビューを果たした。また、女優の今田美桜や吉岡里帆は上記とは逆で、女優として花開いてからモデルとしてファッション雑誌に登場している。両者ともファッションページやメイクページを担当し、モデルとしての役割をしっかり担っている。


 モデルも表現力が問われる仕事だ。モデルの時に身につけた身体表現の力が活かされ、良い芝居を見せている女優も多いだろう。『パーフェクトワールド』の山本はまさに、意志が強くピュアな眼差しの力強さが特徴的だ。ファッションページでもその瞳の表現力には際立ったものがあった。顔立ちの綺麗さはもちろん、それだけではない魅力があるからこそ、モデルとしても女優としても輝けるのだろう。さらに、モデル出身の女優には朝ドラの『半分、青い。』(NHK総合)で注目された永野芽郁や『コードブルー -ドクターヘリ緊急救命- THE THIRD SEASON』(フジテレビ系)で活躍した馬場ふみか、新木優子など、これからに期待できる女優もいる。まだまだ見逃せない女優のたまごが多く隠れているのもまた事実だろう。


(Nana Numoto)