レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは、モナコGP決勝終盤のルイス・ハミルトンとの接触は、どちらにも非はなく、レーシングインシデントだと考えている。一方、オーバーテイクが成功せず、2位でフィニッシュしたフェルスタッペンは、シャシーもエンジンも、メルセデスおよびフェラーリのレベルにはまだ達していないと語った。
フェルスタッペンはトップを走るメルセデスのハミルトンのすぐ後ろを数十周にわたって走り続け、レース終盤、シケインへのブレーキングを遅らせて抜きにかかった。しかし2台のタイヤが接触、それによってハミルトンはシケインをショートカットしなければならなかった。
2台には幸いダメージはなく、ハミルトンは優勝、フェルスタッペンは2位でフィニッシュしたが、ピットストップ時の危険なリリースおよびバルテリ・ボッタスへの接触による5秒加算ペナルティにより、4位に降格された。
フェルスタッペンとハミルトンのインシデントは審議対象となったが、どちらかに大きな非があるとは認められないとして、不問に付された。
レッドブルのモータースポーツコンサルタント、ヘルムート・マルコは、ハミルトンがフェルスタッペンにかぶせてきたとして、ハミルトンにペナルティを科すべきだったとの考えを示しているが、フェルスタッペン自身は、単なるレーシングインシデントだったと考えている。
「ヘアピンではすごく接近できるのに、ターン8の立ち上がりで勢いを失った」とフェルスタッペンは振り返った。
「ついに僕は『試しにチャレンジしてみよう』と思った。そしたら軽い接触が起きた」
「ブレーキング時には普通はミラーを見ない。そもそも見るのが難しいんだ。どちらにも接触の責任はない。ふたりとも大きなダメージはなかったしね」
■「パフォーマンスモードはあるが、まだメルセデス&フェラーリには届かない」とフェルスタッペン
終盤の数周、チームはフェルスタッペンに、よりパワフルなエンジンモードを使用することを許可した。しかしフェルスタッペンはハミルトンを抜くことはできなかった。
「パフォーマンスモードを利用したけれど、もちろんメルセデスの方も同じことをしていた」とフェルスタッペン。
「問題は、数メートル前に彼がいて、ターン8の立ち上がりでスロットルを開けるのが遅くなったことだ。それで勢いを失ったし、ストレートが短すぎて追いつけなかった」
「僕らにもパフォーマンスモードはあるけれど、まだメルセデスやフェラーリのようなパフォーマンスはない。それはシーズン最初から分かっていたことだ」
「マシンについてもエンジンについても、さらに改善すべく全力を傾けている」
フェルスタッペンはピットストップでトルクモードを変更した後、ピットアウト時に設定し直すのを忘れたことで、誤ったモードで走り続けなければならず、通常より走りづらかったとも認めている。