メルセデスのチーム代表を務めるトト・ウォルフは、もし次戦カナダGPでモナコGPの時と同様の状況に陥った場合は、優勝することはできないと考えている。
メルセデスは今シーズン、これまでの6レースすべてで優勝を飾っている。モナコGPは、フェラーリのセバスチャン・ベッテルが2位に入賞したことで、メルセデスのワン・ツーフィニッシュとならなかった初めてのレースとなった。
6レースのうち、メルセデスが優勝するうえで最大の挑戦となったのはどのレースだったのだろうか?
「私はひとつひとつのレースすべてが大きな挑戦だと考えている」とウォルフは語った。
「モナコは伝統的にも、そして歴史的に見ても、我々にとって最高のサーキットというわけではないからだ。スペインGPで発揮した低速コーナーでのパフォーマンスからも、モナコGPでチャンスがあると分かっていた」
「だがモナコはバルセロナとは違う。シングルラップでの純粋なマシンのパフォーマンスにおいては、我々は間違いなく最速だった」
「モントリオール(カナダ)については、昨年の調子は素晴らしかった。サーキットへ行き、できる限り最善のパフォーマンスを発揮しようというのは、実にエキサイティングな挑戦であり、新たな素晴らしいモチベーションとなる」
だがウォルフは、メルセデスは現状に甘んじることなく、常に問題が起きることを予想していると明かした。
「我々は現実的に物を考えるべきだと思う」
「時には、タイトル獲得に近づいたチームが途端に勝てなくなるところを目にしてきた。それに1位と2位でフィニッシュするのが当然のことであると思いはじめた途端、当然のことではなくなる。1位と2位、もしくは1位と3位でさえ、モーターレースの最高峰におけるスポーツでは当然のことではない」
「我々が常に問題に直面することを予想しているのはそうした理由からだ。だからモナコで1位と3位を獲得しても、次のレースに向けて全力で走り続けるのだ」
モナコGPでは優勝を飾ったものの、ウォルフは、次のカナダGPでモナコと同じような状況になった場合は優勝できないと考えている。
「モナコはきわどいところだった」
「普通のコースに戻ることを考えると、我々はタイヤの寿命の面で、モナコから学び、なぜあのような状況になったのかを理解する必要があることを受け入れなければならない。なぜならモナコでのあの状況がモントリオールで起きたら、レースで負けるからだ」
「私は決して有頂天になってはならないという考え方をしている。今のところ舞い上がってはいるが、あのレースを実際に勝てた今日の我々は、少々ラッキーだったのだ」