WEC世界耐久選手権に参戦しているTOYOTA GAZOO Racingは5月28日、今年8月に開幕する2019/2020年シーズンにおいて、トーマス・ローランがテスト兼リザーブドライバーとしてチームに加わると発表した。
ローランは1998年生まれ、21歳のフランス人ドライバーだ。レーシングカートからすぐにスポーツカーの道へ進み、2017年にWECデビューを飾ると、同年のル・マン24時間ではジャッキー・チェン・DCレーシングのLMP2カーを駆り総合2位/クラス優勝を達成した。
翌年から始まった2018/19年WEC“スーパーシーズン”ではLMP1プライベーターのレベリオン・レーシングのシートを獲得。TOYOTA GAZOO Racingのライバルとしてシーズンを戦い、第3戦シルバーストンでの優勝を含む活躍で現在シリーズランキング3位につけている。
また、スポーツカーレースにおける“シンデレラボーイ”とも称される若き才能は、2017年12月にバーレーンで行われたWECルーキーテストで、トヨタTS050ハイブリッドをドライブした経験を持ち、ここでもその才能をチームに印象づけていた。
そんなローランは6月12~16日にフランス、サルトサーキットで行われる第87回ル・マン24時間の終了とともにレベリオン・レーシングとの契約を終える。その後、彼はすぐにトヨタに加入し、チームのタイトル防衛に向けた準備となるプレシーズンテストからTOYOTA GAZOO Racingのチームメンバーとして責務を果たしていく予定だ。
「トーマス・ローランが我々のチームに加わってくれることを歓迎します。彼はとても速く、かつ堅実なドライバーです」と語るのは、 TOYOTA GAZOO Racingの村田久武WECチーム代表。
「彼の若さを考えると非常に印象的です。今までローランが示してきたパフォーマンスから見て、彼は今後も成長を続け、耐久レースにおける本当のスターになるであろうことを確信しています。チームの全員が彼のさらなる成長を楽しみにしています」
また、トヨタに迎えられるローランも「僕のレーシングドライバーとしてのキャリアの中で、初めてのワークスチームであるTOYOTA GAZOO Racingの一員となれることを誇りに思う」とコメント。
「この機会を与えてくれたすべての人に感謝している。まずは今所属しているチームでの最後となるル・マン24時間レースを全力で戦うことに集中したいと思っているけれど、チャンピオンチームの一員としてトヨタTS050ハイブリッドを再びドライブするのが本当に楽しみだよ」とワークスチーム入りを喜んでいる。
現在、唯一のワークスチームとしてシリーズ最高峰のLMP1クラスに参戦しているトヨタは5月上旬、第7戦スパを前に来シーズンも2台のトヨタTS050ハイブリッドでの参戦を継続することを発表済み。
また、この発表時には2018/19年シーズン、トヨタからWECにフル参戦し来月のル・マンを最後にチームを離脱するフェルナンド・アロンソの後継ドライバーとして、WEC王者のブレンドン・ハートレーを迎えるとアナウンスしている。