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FIA-F4:太田格之進が2戦連続ポール・トゥ・ウィン。ホンダ育成の若手が表彰台独占

2019年05月28日 13:41  AUTOSPORT web

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FIA-F4鈴鹿大会で連勝した太田格之進(SRS/コチラレーシング)
FIA-F4の第3大会が鈴鹿サーキットを舞台に5月25~26日に開催され、第5戦で初優勝を飾った太田格之進(SRS/コチラレーシング)が、第6戦でもポール・トゥ・ウィンを達成。2戦ともに、チームメイトとの表彰台独占を果たしている。

 ここまでの4戦は、佐藤蓮(SRS/コチラレーシング)が3勝、三宅淳詞(HFDP/SRS/コチラレーシング)が1勝とチームメイトが優勝を分け合う一方で、唯一未勝利だった太田ながら、金曜日に行われた練習走行は2セッションともトップ。そのことがまたとない、自信に結びついたようだ。

 土曜日に行われた予選では早々にベストタイムを記し、1周クールダウンを行なった後に、しっかりセカンドベストタイムでもトップとなり、2戦連続でポールポジションを獲得する。2番手もまた、2戦とも佐藤だった。

「もう少し行けたかなという気持ちもあったんですが、とりあえず2戦ともポールを獲れてよかったです。早めに走行をやめたのは、もうタイムは出ないって分かっていたので。決勝も僕と(佐藤)蓮の勝負だと思っていて、タイム差が少ないのでどうなるか分かりませんが、ミスなく走れば優勝も可能だと思います」と太田。

 一方、2戦連続フロントロウの佐藤も「前日から太田選手とタイム差がなかったので、うまくスリップストリームを使えた方がタイムを出すだろうなと思っていたんですが、自分はちょっと(前を走るクルマと)距離が開いてしまった。(スリップストリームを)うまく使えた太田選手がポール獲得という感じでしたね。(ポールポジションを)獲れなかったのは残念ですが、ペースはあるので、レースは落ち着いて前を狙っていこうと思います」と、一騎討ちを辞さない構えだった。

 決勝レース第5戦では、3番手から好スタートを切った平良響(FTRSスカラシップF4)が、佐藤をかわして2番手に浮上。もちろん太田がトップで1コーナーに飛び込み、4番手には三宅、そして5番手で菅波冬悟(OTG DL F110)が続く。

 しばらくは太田も逃げることを許されなかったが、6周目になって2番手争いが一気に激化。その前周のシケインから始まり、1~2コーナーでの攻防の末に、三宅、佐藤、菅波、平良という順に入れ替わる。その間に差を広げた太田が難なく逃げ切りに成功。嬉しい初優勝を飾った。2位は8周目のシケインで三宅を抜き返した佐藤が獲得した。

「チームがすごくいいクルマを作ってくれたので、ペースには自信がありましたし、序盤さえ抑えられれば勝てると思っていました。いったんリードを広げてからは、後ろを最後まで近づけることなく走れました。チームの本拠地である鈴鹿で初優勝。やっと勝てて、本当に嬉しいです」と太田。

 その初優勝が太田をさらに勢いづけた。決勝レース第6戦ではスタートを決めて、早々と逃げ始めたものの、ヘアピンで多重クラッシュがあり、1周目から3周にわたってセーフティカーランとなる。

 背後につけるのはローリングスタートの名手、佐藤である。リスタートで差を詰められるかと思いきや、太田は堂々たるダッシュで佐藤を寄せつけず。太田、佐藤、三宅、菅波、平良という第5戦と同じ順番でトップ争いを繰り広げるが、着かず離れずの状態で周回が進んでいく。

 太田に唯一ミスがあったとすれば、最終ラップのスプーン立ち上がり。わずかにリヤが出てしまったのを佐藤が逃さず、スリップストリームには着くもバックストレートでの逆転は許さず。最後のシケインで右に左に揺さぶりをかけた佐藤ながら、コンマ1秒差で太田に振り切られてしまう。これで太田が2連勝。

「最後のスプーンで少しミスして、あれは危なかったですね。一気に追いついてきてスリップでヤバいかなと思ったんですが(笑)。今週は練習走行から全セッショントップで、一度も1位を譲ることがなかったんで、パーフェクトで終われたと思います。ホームコースの2連勝はすごく嬉しいんですが、これからオートポリスとか、まだ走ったことのないコースにどれだけ対応して、いい結果を残せるかということを意識していきたいと思います」と太田。

 2戦とも1位から5位までが変わらぬ顔ぶれと、地の利も感じられた第3大会。ただルーキーの平良は、それは当てはまらないのだから逆に健闘が光ったとも言える。メインレースのスーパーGTは次回はタイで開催されるため、FIA-F4はしばしインターバルを置き、8月3~4日の富士スピードウェイが舞台となる。上位の顔ぶれに今度は変化はあるのだろうか。