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結婚したら「セクシータレント」と同じ名前 改名できるの?

2019年05月28日 10:41  弁護士ドットコム

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結婚し姓が変わり、セクシータレントと同姓同名になりました。こんな相談が弁護士ドットコムに寄せられた。


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投稿者は当初は気にしていなかったそうだ。しかし「取引先の相手に名前について言及されるなどした」ことから、改名を検討しているという。



できれば同じ読みで漢字だけを変えたいとのことだが、有名人と名前が一緒になったことを理由に改名をすることは出来るのだろうか。鈴木徳太郎弁護士に聞いた。



●正当な理由があるか否か

(姓ではなく)名前を変えることができるのでしょうか。



「戸籍法の規定により、正当な理由がある場合において、家庭裁判所の許可を得ることによりできるものとされております。



この正当な理由ですが、家庭裁判所のウェブサイトにある申立書を見ると、改名理由の選択項目として、元の名前が(1)奇妙である場合、(2)難読である場合、(3)同姓同名者がいて不便、(4)異性と紛らわしい、(5)外国人と紛らわしい、(6)神官・僧侶となったり辞めたりした、(7)通称として長年使用した場合、などが挙げられています。



裁判所は、これらの場合には正当な理由があるものと考えていることが分かります」



●今回のケースで「改名は認められやすい」

今回のケースは、どうでしょうか。



「これら以外にも、役者の襲名、出生届時の漢字の誤り、性の変更があった場合、などにも認められています(余談ですが、姓の変更の場合には、戸籍法上、やむを得ない事由が必要とされ、名の変更よりも要件が厳しくなっています。)。



著名人と同姓同名であるということは、その著名人と混同されたり、冷やかしを受けたりする可能性があるため、改名は認められやすいと考えられます。



また、旧名と同じ読みで漢字だけを変えることも、著名人との区別はつき易くなり、冷やかしを受けるといった生活上の支障も概ね改善されると思われますので、裁判所が認める可能性はあるでしょう」



(弁護士ドットコムニュース)




【取材協力弁護士】
鈴木 徳太郎(すずき・とくたろう)弁護士
多摩地区・府中市の弁護士。個人の案件については、相続問題の他、交通事故や倒産事件を多数取り扱う。近時は労働問題の相談も多い。会社関係の事業承継なども取り扱う。
過去、第一東京弁護士会多摩支部副支部長、府中市情報公開・個人情報保護審議会委員を務めた。
事務所名:鈴木徳太郎法律事務所
事務所URL:http://www.fuchu-lawoffice.jp/