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向井理に集まる「理想の上司」の声 『わたし、定時で帰ります。』回を重ねるごとに好感度が加速

2019年05月28日 08:01  リアルサウンド

リアルサウンド

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 吉高由里子主演のお仕事ドラマ『わたし、定時で帰ります。』(TBS系)で、向井理が演じる種田晃太郎の“理想の上司ぶり”が止まらない。


 ヘッドハンティングによって、ウェブ制作会社「ネットヒーローズ」に転職。春から本社勤務となり、元婚約者である主人公・東山結衣(吉高)のいる制作4部の副部長となった種田。ドラマ放送開始時には“ワーカホリック”という事前情報から、自分の意見を押しつける嫌な上司なのかと思っていたが、ところがどっこい。回を追うごとに、ホワイト上司ぶりがグングン加速しているのだ。


【写真】向井理撮り下ろしカット


 自分の新人時代を例に上げて部下に仕事を強要したことで、しっぺ返しをくらってしまった三谷(シシド・カフカ)がフィーチャーされた第1話。三谷は柄にもなく仕事を投げ出し帰宅してしまうのだが、種田は引き継いだ作業をこなしながら「三谷さんは何も間違ってない。口下手だから、あんな言い方になるんだろうけど」「三谷さんが何を大事に思って仕事しているのか、よくわかる」と、サラリと部下思いの発言をしてみせる。


 続く第2話では、クライアントとトラブルになってしまった賤ヶ岳八重(内田有紀)に対して、落ち着いた口調でミスの原因を指摘。自身も率先して作業に加わり、「明日、クライアントに方向性だけでも確認しましょう」と優しくフォローするのだった。


 また“後味ゴム事件”が勃発した第3話では、騒動後に事の発端となった部下・来栖(泉澤祐希)に対し、「今のお前は社会人としての信用ゼロだからな。これからどうすべきか、ちゃんと自分で考えろよ」と、真っ向からアドバイス。同話のラストには「来栖、やれるか?」と目を見て問い、「辞めます」が口グセだった来栖から「がんばります」という前向きな言葉を引き出した。


 ほかにも、スポーツブランドを担当する結衣を「女子がひとり足りなくて」とさりげなくフットサルに誘ったり、部下にセクハラをするクライアントに対しては、わざと先方の怒りを買って契約解除に持って行くスマートさ。ここまで来れば、世間はもう種田さんの虜なのだが、さらなる決定打となったのが第6話だ。


 種田の独立が噂される中、来栖が初めてディレクターを務めることになる。ところが、ひとりよがりなプレゼンをする来栖に、クライアントは憤慨。社内会議でも中心となるのは種田であり、そんな状況にブチ切れた来栖は、種田に向かって「みんながみんな種田さんみたいに仕事できるわけじゃないんですよ。できる人間からしたら、こっちの気持ちなんて想像もつかないんでしょうけどね」と吐き捨てる。


 実は弟・柊(ハンドルネーム・愁/桜田通)からも同じように「僕の気持ち全然わかってない」と言われ、人の気持ちを理解し、寄り添うことの難しさを痛感していた種田。学生時代から物事を上から捉え、強がることが当たり前になっていた種田は、周囲から“完璧”と崇められる一方で、人を信用しない“とっつきにくい人”と思われるようになってしまっていたのだ。そして、そんな種田の救世主となったのは、やはり結衣だった。種田の“短所”を次々にあげ、「もっと弱いところ、出しちゃっていいんじゃない?」と。


 おかげで肩の荷が下りたのか、種田は「すみませんでした」と頭を下げる来栖に「あんだけボロクソ言われたの生まれて初めてだよ」と苦笑いしつつ「でも、いいよ。言われないとわかんないから」とほほえむ神対応。もともと膨大な量の仕事をクールにこなし、部下のがんばりを把握し、ミスがあればしっかりとカバーする。言わずもがな、見た目だってあり得ないほどイケているのに、自分の弱点まで受け入れるとなれば、それこそ最強上司の誕生である。


 物語の終盤には、結衣の婚約者・巧(中丸雄一)から「さすがにまだ結衣ちゃんのこと好きなんて、ありえないですよね?」と問われ、「いや、好きですよ。今でも好きです」とあまりにナチュラルな告白を繰り出した種田。上司としても、男としてもカッコ良すぎるWパンチに、「種田さん、かっけ~」と見事ノックアウトさせられてしまったわけだが、果たして結衣、巧、種田の三角関係はどんな結末を迎えるのか。ますますおもしろくなってきた。


(nakamura omame)