レーシングポイントのセルジオ・ペレスは、F1第6戦モナコGPの序盤におけるセーフティカー(SC)導入中に、ふたりのマーシャルを危うく轢くところだったと述べた。
SCが出動している間にピットへ向かいタイヤ交換を行ったペレスだったが、ピット出口を出たばかりのところで、ふたりのマーシャルがシャルル・ルクレール(フェラーリ)の破損したマシンから出たデブリを拾っていることに気がついた。
レース後、ペレスは報道陣に対し、「SC導入中に、マーシャルに衝突するところだった」と語った。
「ふたりのマーシャルを轢くところだったよ! とても危なかった。彼らは走って戻るところで、僕はピットから出たところだった。だからブレーキをかけなければならなかったけれど、僕がよけることができて、彼らは本当にラッキーだった」
このインシデントは国際映像には映らなかったものの、レーシングポイントのマシンに搭載された車載カメラがその様子を捉えていた。
ペレスは今回の事態に驚いたことを認めた。というのも、特にモナコGPは、F1カレンダーのなかでも運営が最も整ったグランプリのひとつだからだ。
「彼らの運営はいつもはとても優れている」
「結局のところ、安全が最も重要なことであることは明らかだ。マーシャルとドライバーの安全がね」
ペレスはニアミスが起きた後、無線で「あのマーシャルたちはどうしたんだ? 僕は彼を殺すところだったよ」とマーシャルが無事に戻ったことを確かめた。幸いペレスはマーシャルに反応してブレーキをかけたため、事故にはならなかった。
■マグヌッセンのシケインカットに不満「ポジションを譲るべきだった」
またペレスは、ケビン・マグヌッセン(ハース)とのポジション争いの際に、マグヌッセンがトンネル出口の先にあるヌーベルシケインをショートカットした件を再検討するため、レーススチュワードと会うことになった。
「彼はシケインをショートカットして順位を守った」とペレスは不満を述べた。
「マグヌッセンの前に出ていたら、最終的に僕たちの結果は変わっていたかもしれない。だから彼は僕にポジションを譲るべきだったと思うよ」
その後ターン18(ラスカス)ではアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)がロバート・クビサ(ウイリアムズ)のインを突いたが、この時クビサがスピンを喫してしまい、一時的にコースが塞がってしまった。ペレスはそれに巻き込まれ、彼のレースはまたも損なわれることになった。
「セーフティカーが出た時にピットインすることにしたが、僕はトラフィックに捕まってしまい、ラスカスでの渋滞で随分タイムを失ってしまった」
「簡単なレースではなかったが、今日はベストを尽くした。レースを完走できて嬉しい。でも結局ポイントを目指して戦うことができなかった」
「雨が降って状況が大きく変わることを願っていたけれど、ところどころで小雨が降っただけに終わった」
一方ペレスのチームメイトであるランス・ストロールは、16位でレースを終えた。
「チームにとって全体的に手ごわい週末だった。残念ながらレースは厳しいものになった」とストロールは語った。
「僕たちは戦略面で賭けをした。順位を上げるためにセーフティカー導入中もステイアウトしたんだ。その後はとても地味な展開のレースになった」
「第1スティントではタイヤのグレイニングに苦しんだ。そして第2スティントではトラフィックに捕まってしまったんだ。望んでいたような週末ではなかったが、2週間後のカナダGPに向けて態勢を立て直し、より強くなってレースに戻るよ」