世界三大レースのひとつ、第103回インディアナポリス500マイルレース。26日に決勝レースが行われ、シモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)がポール・トゥ・ウインで初制覇。佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は惜しくも3位に終わった。
雨予報だったインディアナポリス。午前中に少し雨が降ったが、決勝スタート前には青空も垣間見え、伝統のスタート進行が始まった。
そして、現地12時48分過ぎにグリーンフラッグが振られ200周500マイルの戦いが幕を開ける。ポールポジションからスタートしたシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)は、オープニングラップをトップで走行する。
4周目にジョセフ・ニューガーデンが、スペンサー・ピゴット(エド・カーペンター・レーシング)、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)を交わし3番手へ。しかしパワーもすぐに抜き返す。5番手スタートだったコルトン・ハータは電気系トラブルでピットロードへ。しかし途中でストップし、6周目でイエローコーションとなる。
11周目にリスタート。パワーはターン1でアウトからエド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)をオーバーテイクし2番手に浮上。琢磨もエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)を交わし11番手にポジションをアップする。
トップを行くパジェノーは32周を終え、最初のピットインへ。各車が続々とピットに向かい、36周目には琢磨がリードラップを記録。翌周ピットロードへと向かう。
順調に見えた琢磨だったが、マシンかタイヤのトラブルか、突然大きく順位を落としてすぐにピットへ。このレースで2度目ピットインを行いコースに復帰するも、ラップダウンに陥ってしまう。
パジェノーはトップを快走し60周過ぎで2.6秒差を付け、64周目終わりでピットイン。トップに立ったパワーは68周目終わりで2度目のピットインに向かうが、パワーはオーバーランでタイムロス。さらにホースを引いたことでペナルティ。ポジションを大きく落とすことになる。
74周目にカイル・カイザー(ユンコス・レーシング)がクラッシュを喫し、2度目のイエローコーションとなる。
パジェノーはレースをリードするなか、143周目にはマーカス・エリクソン(アロウ・シュミット・ピーターソン)がピットロードでクラッシュし3度目のコーションに。これで琢磨はラップダウンから回復し18番手でトップと同一周回に戻る。
149周目にレースはリスタート。2番手にアップしたニューガーデンは151周目にパジェノーを交わし、ついにコース上で初のリードチェンジに。各車再びピットインに向かうと176周目、琢磨が2度目のラップリードを記録し、177周終わりでピットインに向かう。
琢磨がピットに向かった直後、178周目に多重クラッシュが発生。
セバスチャン・ブルデー(デイル・コイン)とグラハム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)が接触。両車はスピンし、ウォールにクラッシュ。後ろ数台が巻き込まれレースは181周にレッドフラッグ中断となる。
セーフティカー先導でレースは再開し、ロッシ、パジェノー、カーペンター、ニューガーデン、そして琢磨という順で、188周目にリスタートを迎える。
パジェノーがロッシに並びアウトからトップに。琢磨もカーペンターを交わし4番手にアップ。ロッシも食い下がり、パジェノーとリードチェンジを繰り替えす。
残り10周。琢磨はニューガーデンを交わし3番手へ。さらに前のふたりに迫る。
3台によるトップ争い。198周目にロッシがパジェノーを交わしトップに浮上。琢磨も狙うもなかなか後ろにつけない。
199周目、今度はパジェノーが逆転しホワイトフラッグ。ロッシが狙うもパジェノーが守り切り、インディ500初優勝をポール・トゥ・ウインで成し遂げた。
佐藤琢磨は緊急ピットインによるラップダウンから復活し、最後までトップを争ったが惜しくも3位に終わった。