2019年のスーパーGT第3戦、GT300ポールを獲得したHOPPY 86 MCの松井孝允(中央)と佐藤公威(右)、チームの土屋武士監督(左) 5月25日(土)に鈴鹿サーキットで開催された、2019年スーパーGT第3戦。スーパーGT GT300クラス公式予選は、復活のマザーシャシー、25号車HOPPY 86 MCの松井孝允が今季初のポールポジションを獲得した。
熱波の影響で5月下旬としては記録的な暑さとなった三重県の鈴鹿サーキットは、予選Q1セッション開始時刻の14時40分時点で気温31度、路面温度は48度まで上昇。
例年どおりの気温を想定した各陣営の持ち込みタイヤは、公式練習でのロングランでドロップ幅が大きめの傾向を示したこともあり、決勝を見据えたタイヤ戦略とも絡んで、ドライバー選択でもQ1通過を優先した戦略を採るチームも見受けられた。
またタイヤ・ウォーズでは開幕2戦でブリヂストン勢に圧倒されたヨコハマタイヤ勢が、この暑さを武器にGT3、マザーシャシーともにどこまでライバルに迫れるかもポイントとなった。
■Q1:赤旗中断でアタック合戦激化。マザーシャシーがワン・ツー
ピットロードオープンとともに、HOPPY 86を先頭に各車がコースインを開始すると、セッション残り10分のところでまずはHOPPY 86の佐藤公哉が1分57秒895のターゲットタイムを記録。シンティアム・アップル・ロータスの加藤寛規や、RUNUP RIVAUX GT-Rの青木孝行も上位に顔を出すと、残り6分でADVICS マッハ車検 MC86 マッハ号の坂口夏月が1分57秒827でトップタイムを更新してみせる。
この時点でトップ3はマッハ車検、HOPPYのMC86がワン・ツーとなり、3番手にもアップル・ロータスと、高い路温にも助けられた軽量マザーシャシー勢が優位に戦いを進めていく。
すると直後の14時51分にPACIFIC MIRAI AKARI NAC PORSCHEの峰尾恭輔がヘアピンのブレーキングでコースオフしてタイヤバリアにクラッシュしたため、赤旗中断となる。
15時ちょうどに残り4分で再開されたQ1は、首位からのMC勢3台とRUNUP GT-R、K-tunes RC F GT3らトップ5や、タイヤ温存を狙ったとみられるMcLaren 720S、メルセデスAMG勢らを除いて、16台のカットラインに向け各車が最後のアタックへ。
フライングラップを確保すべくコントロールライン通過を急いだチームのなかで、最初に計測周に入ったマネパ ランボルギーニ GT3の小暮卓史がカットラインぎりぎりの16番手でQ1を突破。エヴァRT初号機 X Works GT-RやHitotsuyama Audi R8 LMSもポジションアップを果たし、それぞれ8番手、15番手でQ2へ。
それ以外の上位勢に変動はなく、前戦富士で優勝争いの死闘を演じたGAINER TANAX GT-R、ARTA NSX GT3らもそろってQ2進出を果たしている。
■Q2:松井孝允、2017年第3戦以来のポール奪取
Q1赤旗の影響で9分遅れ、15時34分に開始されたQ2は各陣営が入念なウォームアップとともにクリーンなトラックポジションを確保し、10分間のセッションが残り5分を切ったところでアタックラップへ。
Q1と同じく最初に最速タイムを刻んだ松井孝允のHOPPY 86が1分57秒008という驚異的なターゲットタイムを刻むと、マネパ ランボルギーニ、グッドスマイル 初音ミク AMG、RUNUP GT-R、そしてGAINER TANAX tripe a GT-Rらも続々と1分57秒台に入れてくる。
するとセッション残り1分を切ったところでマッハ車検 MC86の平木湧也が1分57秒571で2番手に飛び込み、ここでふたたび86 MCのワン・ツー・フォーメーションが完成。
このままセッション終了かと思われたチェッカー間際に、96号車K-tunes RC F GT3のルーキー阪口晴南が開幕戦に続く素晴らしいアタックを決め、1分57秒134のタイムで2番手へ。これでマザーシャシーの間にGT3が割って入ることになり、同時にヨコハマタイヤのフロントロウ独占も阻止する結果となった。
以下4番グリッドには、ダンロップタイヤを装着するJAF-GTの雄、SUBARU BRZ R&D SPORTが並び、GAINER TANAX tripe a GT-R、初音ミク AMGのトップ6に。Modulo KENWOOD、ARTAの両NSX GT3もそれぞれ7番手、9番手のトップ10圏内を死守している。
厳しい暑さが車種バラエティやタイヤメーカー勢力図までも塗り替えそうな5月の鈴鹿サーキット決戦。300kmの決勝レースは予選と同様の暑さが予想される26日(日)、14時30分にスタートを迎える。