スーパーGT第3戦鈴鹿の公式練習トップタイムをマークしたau TOM'S LC500 2019年スーパーGT、シーズン前半の勢力図を占う第3戦が5月24日に鈴鹿サーキットで開幕。今季一番になりそうな真夏日での勝負を占う午前の公式練習で、GT500クラスは関口雄飛のドライブでau TOM’S LC500がトップタイムを記録。GT300クラスではSUBARU BRZ R&D SPORTがタイムシートの最上位につけた。
週末に向けた予報では、早くから5月の観測史上最高記録更新の可能性を伝える季節外れの暑さが伝えられ、鈴鹿サーキットでも金曜搬入日から真夏を感じさせる日差しが照りつけた。
明けた24日、公式練習開始定刻の午前8時50分時点では気温25度、路面温度34度と、5月下旬の早朝とは思えない数値まで上昇。午後に向けては気温30~35度の真夏日/猛暑日も予想され、各陣営が持ち込んだタイヤレンジの上に外れるのか、それとも意外なマッチングを見せるのか、ライフを含めた確認作業が重要度を増すこととなった。
GT500では1コーナー側のニッサン勢がアウトインでピットガレージへと戻ったのと対照的に、16号車のMOTUL MUGEN NSX-GT武藤英紀がそのまま連続周回をこなして、1分49秒230をマーク。
さらにセッション開始10分を経過した午前9時にはau LC500が1分47秒944を記録し、その5分後には12号車カルソニック IMPUL GT-Rが1分47秒901と首位タイムを更新。搭載ウエイトの軽さからここ鈴鹿で本命と目され、明日のレースで必勝を期すブリヂストン勢の2台が浮上してくる。
一方のGT300クラスはHitotsuyama Audi R8 LMSが1分58秒575で首位に立ち、続いてGAINER TANAX tripe a GT-R、その背後にHOPPY 86 MCがつける展開となり、ヨコハマタイヤ勢が路面温度とのマッチングで奏功したかGT3、マザーシャシーともに上位を占めてくる。
セッション開始30分を経過し両クラスともトップ2台は不動ながら、GT500では3番手にWAKO’S 4CR LC500が浮上。ミシュランを履くMOTUL AUTECH GT-Rもショートランを重ねて4番手につける。
GT300では路面コンディション変化の影響か、25号車にかわってダンロップ装着のSUBARU BRZが1分58秒944で3番手、シンティアム・アップル・ロータスが4番手と、軽量JAF-GT&マザーシャシー勢が上位に入ってくる。
すると9時30分を境に動きがあり、この鈴鹿から新カラーリングをまとうマネパ ランボルギーニ GT3が1分58秒275、さらにSUBARU BRZが1分58秒245と最速更新が続くと、その直後の最終コーナーでSYNTIUM LMcorsa RC F GT3がスピンしグラベルへ。脱出が困難でFRO出動を要するため、セッションはここで赤旗中断となった。
■GT500専有走行終盤でタイム更新合戦。NSX勢最上位は10番手と苦戦
約7分間で車両回収は終わり、9時38分に再開するとほぼ全車がコース上へ。GT500ではバックストレートエンドのスピードトラップでNSX-GT勢が平均して260km/h台前半に留まるのに対し、GT-R勢は260km/h台後半から270km/hを安定してマーク。そこに同じFRのレクサスが追随する構図となるなど、セットアップなのか、それとも暑さなのか。ミッドシップのNSX-GTにはわずかな影響も見受けられる。
午前10時をまわってもGT500クラスに大きなポジション変動はなく、GT300クラスはSUBARU BRZ、マネアパ ランボルギーニ、Hitotsuyama Audi、GAINER TANAX triple a GT-R、シンティアム・ロータスのトップ5で10時15分からの占有走行へ。
さらなる気温上昇が予想される午後の予選に向け各車がシミュレーションを進めるも、セッション序盤の条件は上回れずタイム更新はなし。しかし唯一、直前に片岡龍也からバトンを受けた谷口信輝のグッドスマイル 初音ミク AMGが1分59秒389、翌周には1分58秒294と2周連続でタイムアップを果たし3番手へ。
続く10分間のGT500占有走行ではさらに更新合戦の展開となり、残り5分を切ってアタックラップに入ると、2戦連続表彰台で49kgものウエイトハンデを積むMOTUL AUTECH GT-Rの松田次生がセクター1、セクター2で最速をマークしながら、1分47秒391でベスト更新。
するとここから、ウエイトハンデの重いマシンには負けられないとばかりにリアライズコーポレーション ADVAN GT-Rのヤン・マーデンボロー、au LC500関口が首位を奪い合い、au LC500、リアライズコーポレーションGT-R、MOTUL GT-Rのトップ3に。
DENSO KOBELCO SARD LC500の中山雄一もジャンプアップを果たして4番手へと浮上し、NSX-GTはRAYBRIG NSX-GTの10番手が最上位。11番手のMOTUL MUGEN NSX-GTまでがトップと1秒圏内のタイム差となり、ウエイト搭載量からホンダ+BS陣営の本命と目されたKEIHIN NSX-GTは12番手に終わっている。
このあとも快晴予報で8月並みの気候となりそうな鈴鹿サーキットでは、14時40分からノックアウト方式での公式予選セッションが行われる。