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『なつぞら』東京新宿編は“群像劇”として見応えあり 早とちり兄妹の次は、トラブルメイカー親子?

2019年05月24日 12:51  リアルサウンド

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 NHK朝の連続テレビ小説『なつぞら』の第47回が5月24日放送された。


参考:『なつぞら』の3枚目役で花開く!? 岡田将生とコメディとの相性


 第45回にて、煙カスミ(戸田恵子)とおでん屋・風車を訪れた雪之助(安田顕)、雪次郎(山田裕貴)、なつ(広瀬すず)。泥酔状態の雪之助が店主の亜矢美(山口智子)に向かって、なつの北海道でのあらぬことを吹き込んでしまったことで、巡り巡って咲太郎(岡田将生)が勘違いをしてしまい、しまいには川村屋まで怒鳴り込みにきてしまったというのが、前回までのあらすじだ。


 なつが、咲太郎が自分と千遥を忘れて東京で好き放題やっていたのではと、これまた勘違いしてしまい怒りだすさまは、咲太郎よろしく早とちりしてしまう兄妹らしさを感じさせた。そして、今回は、咲太郎が雪之助と雪次郎に会うことによってその誤解が解けることになる。


「そんなこと言ったらバチ当たるぞ」「なっちゃんはね、本当に柴田家で大切に育てられたんだ」


 と咲太郎に諭す雪之助の姿に「お前がそれを言うか」と突っ込んだ視聴者も多かったのではないだろうか。それでもどこか憎めないのは、北海道で優しくなつを見守ってきた姿を見ているからに他ならない。これまで、一歩引いた立場にいた雪之助だが、東京編に入って、話を引っ掻き回すトラブルメイカーぶりを見せたことで、「もしかして心優しい雪次郎もこの性格を受け継いでいるのでは?」と嫌な予感が頭によぎってしまう。


 一方で、北海道では久しぶりに富士子(松嶋菜々子)と泰樹(草刈正雄)が登場。月曜日には、かっこよすぎる男泣きで涙を誘った泰樹だが、美味しそうにクリームソーダを食べ、おかわりを要求する茶目っ気まで見せつける。これまでもアイスクリームやホットケーキやバター煎餅と様々なお菓子を嬉しそうに頬張ってきた泰樹。雪月のお菓子と泰樹という組み合わせは、これからも視聴者にホッと一息与える幸せなワンシーンになっていきそうだ。


 そして、東京では、信哉(工藤阿須加)が川村屋を訪れる。放送記者としてキャリアをスタートした彼も開拓者精神をしっかりと抱えている。なつの結婚相手として候補に躍り出る形となるのか、それとも他の誰かが出てくるのか、この関係性は今後も注目すべきだろう。


 最後には、咲太郎が東洋動画の社長(角野卓造)に直談判している姿が。また余計なことをしでかすのではと、咲太郎は今後も視聴者をハラハラさせ続けるのだろう。東京編に入り、登場人物が一気に増え様々は出来事が同時進行する群像劇としての見応えが増してきている。


(文=安田周平)