武勇伝をもったいぶって話す人が時折いる。聞き手は誰も興味がないようなエピソードを、さも貴重な話であるかのうように口調で語ってくるのだ。
ああいう人たちって、自分の話術が他人より長けているとでも思っているのか、基本的にみんなつまらないし、話の間も悪いし、脱線が多い。こういう大人って、はっきり言ってダサいものだ。(文:松本ミゾレ)
「バブルの頃は毎晩飲み歩いてた」というどうでも良すぎる自慢
先日、ガールズちゃんねるに「聞いてて恥ずかしい武勇伝」というトピックが立っていた。トピ主は本分において「俺がいないと会社が回らない」とか「自分より立場が上の人に説教してやった」とドヤるアラフォー辺りの平社員が本当にイヤだという。
で、トピックには誰も聞きたがらない武勇伝を話されて辟易した経験のある人々の書き込みも、結構多かった。いくつか紹介したい。
「モンペの『私の発言で学校を変えた』」
「『まぁ、オレも昔はワルでさぁ、ここでは言えないような事もしてきたんだよね』。言いたいのバレバレ。こっちは聞きたくない」
「『バブルの頃毎晩飲み歩いてた』今令和なんだけど。いつまでバブルにしがみつくのですか」
「喧嘩で何十人殴って倒したってヤツ。いやいや、拳で殴っても数人しか無理だから拳の骨折れるから」
このように武勇伝は、聞かされた人間に憎しみを抱かせることもあるようだ。発信者はまさか軽蔑されているなんて思ってもみないわけなので、つくづく幸せな連中である。
過去の武勇伝ぐらいしか人に話すネタない残念な人々
武勇伝は、聞かされた相手の時間を奪い、自分の評価をも下げるというデメリットしかない。まさかこのコラムをご覧の賢明な読者諸氏の中には、そんな人間がいないだろう。
でも世間には武勇伝を語るぐらいしか他人に目を引いてもらえる話術を持たない人間が割と大勢いる。本当にどこに行ってもいる。飲み屋に行ってお姉ちゃんに聞いてもらえばいいのに、過去の武勇伝を語るような人間は大体金がないのでそれもできない。だから僕らをキャバ嬢代わりにするのだ。とんでもない連中である。
大人気ないかもしれないが、大人の対応を見せれば調子に乗って付け上がるのがこの手のダメな大人なのだ。聞いても得がない武勇伝なんて適当に流しておけばいい。つまらなそうな態度を示すぐらいでいいのである。