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『わたし、定時で帰ります。』第6話 向井理の理想の上司ぶりに「種田さん上司になってほしい」という声

2019年05月22日 17:01  キャリコネニュース

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吉高由里子さん主演のドラマ『わたし、定時で帰ります。』(TBS系)。5月21日に放送された第6話は、かねてより話題となっていた、向井理さん演じる理想の上司ぶりがますます際立った回だった。

主人公の東山結衣(演:吉高由里子)は、新卒で入った会社で無理な働き方をした苦い経験から、現在働くWEB制作会社では「効率よく働き、絶対残業しない」をモットーにしている。働きすぎがもとで破談になった元婚約者の種田晃太郎(演:向井理)は、副部長として同じ部署に配属されていた。

種田はワーカホリックで長時間労働は当たり前。大量の仕事を完璧にこなし、部下へのフォローも忘れず信頼も厚い、いわゆる「デキる上司」だ。そんな種田に独立の噂が立ち、部署内のスタッフに動揺が広がった。(文:篠原みつき)

「できる人間からしたら、こっちの気持ちなんて想像もつかない」

そんな中、新人の来栖(演:泉澤祐希)が新規案件のディレクターを任される。種田にあこがれていた来栖は張り切るが、客の意向を汲み取ろうとせず、客は種田にしか話をしなくなってしまう。

社内でも会議の中心は種田で、疎外感を募らせた来栖は「やってらんない」とキレる。「種田さんは誰も信用していない、自分が一番完璧だと思ってる」として、

「みんながみんな種田さんみたいに仕事できるわけじゃないんですよ。できる人間からしたらこっちの気持ちなんて想像もつかないんでしょうけどね」

などと暴言を吐いた。

実は種田には、社会人一年目で会社を辞め引きこもりになった弟・柊(演:桜田通)がいて、数日前に全く同じこと言われていた。種田は柊に、野球で挫折した過去を語り「俺もやり直せたんだから、お前だってできる」と再就職を促すが、「それは晃兄だからできたこと。晃兄はやっぱり僕の気持ち全然わかってない」と拒絶されていた。

仕事ができる人というのも、なかなか難しいものだ。励ましたり助けたりしようとするほど、相手の劣等感を刺激して拒絶されてしまうことがある。世代間ギャップとはまた違う、相互理解が必要な場面だ。

ただ、なかなか実際には無いなと思うのは、種田が「非を認める上司」として描かれていることだ。種田は翌日、来栖に謝罪されると

「まあ、いいよ、言われないと分かんないし」

と赦していた。

これ、なかなか言える人はいないだろう。種田にあからさまな非はなかったのにボロクソに言われ、それでもこちらも悪かったと素直に認めたのだ。言われても分からない、プライドが邪魔して認めない人が多い中、人間性の素晴らしさに唸ってしまう。ネット上では「種田さん上司になって欲しいです」など、理想の上司ぶりに称賛の声が上がっている。

ユースケ・サンタマリアのブラック上司と理想の上司がみごとなコントラスト

一方で、ユースケ・サンタマリアさんの名演技が光る、福永部長のブラック上司ぶりは相変わらずだ。ふだんは何の仕事をしているか不明で、すぐにトイレへ行き、叱責は頭ごなしでぐちぐち人格否定をする。定時で帰る人はやる気がないと思っていて、面倒なことは回避し部下に責任転嫁。ところが、自分の都合のいいように持っていこうとする抜け目のなさがある。

今回は種田の独立のうわさを聞きつけ、飲み会に誘い、「(独立しても)世の中そんなに甘くない」「種田君とは切っても切れない絆がある」などと、遠回しにゴリゴリの圧をかけていた。前回派遣デザイナーの女性がセクハラに遭ったのもこの人のせいで、「こんな上司は嫌だ」の見本市の様な人である。

しかしこれが、妙なリアリティがあって面白い。一見マイルドな風貌の奥に見せる悪辣な無表情も、だんだんくせになってきた。種田さんや結衣という、理想の上司と併せて見ると、見事なコントラストだ。次回はいよいよ、福永のせいで結衣の定時帰りが脅かされる事態に。恋愛模様も三角関係に突入する雰囲気で、ますます見逃せない展開になってきた。