34年ぶりにテック21カラーが復活 ヤマハは5月22日、都内で7月25日~28日に鈴鹿サーキットで開催されるFIM世界耐久選手権(EWC)の最終戦、鈴鹿8時間耐久ロードレース第42回大会の参戦体制発表会を行った。
ヤマハは2018年、鈴鹿8耐4連覇に挑戦。YAMAHA FACTORY RACING TEAMとして中須賀克行、アレックス・ロウズ、マイケル・ファン・デル・マークの布陣で参戦した。
迎えた決勝レースは、中須賀が土曜日のフリー走行で負傷し、ロウズ、ファン・デル・マークの2人体制だったが、ライバルたちの追撃を振り切り優勝。鈴鹿8耐4連覇を達成した。
ヤマハは2019年の鈴鹿8耐で5連覇を果たすべく、ファクトリー体制のヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームは中須賀、ロウズ、ファン・デル・マークを継続起用。また、2018-2019シーズンのEWCにレギュラー参戦し、現在ランキング4位につけているYART Yamaha Official EWC Team(YARTヤマハ)はブロック・パークス、マービン・フリッツ、ニッコロ・カネパの3人態勢で鈴鹿8耐に挑む。
会場では2019年の鈴鹿8耐を戦うヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームのヤマハYZF-R1がアンベイルされた。2019年のカラーリングはYZF-R1が2019年で21周年を迎えたことに合わせ、ヤマハのエースゼッケン21のオリジナルで、1985年の鈴鹿8耐に参戦したヤマハTECH21(テック21)チームの復刻カラーで戦う。
テック21復刻カラーについて堀越慶太郎MS戦略部長は「今年のスローガンは“令和の序幕、R1。”です。2019年は初代モデルの発売からゼッケンナンバーと同じ、21周年を迎えます。1985年、YZR750でファクトリー参戦のときから始まったゼッケンナンバー21のオリジンでもあるテック21の復刻カラーをまとい、国内外にヤマハの存在感をしっかりと示したいと考えております」と説明。
「1980年代に一世を風靡したテック21を復刻させることで『なつかしいな』、『あの当時、鈴鹿8耐に行ったな』、『また久しぶりに鈴鹿8耐に行ってみたいな』と思ってもらい、鈴鹿8耐を盛上げたいと考えております。かつてのモータースポーツファンの方にも鈴鹿に帰ってもらえることを願っています」
「この企画は、資生堂様の多大なるご協力をいただきました。1985年から1990年までテック21カラーで参戦しておりましたが、このカラーリングについては1985年の初代のカラーリングを現在のYZF-R1に蘇らせました。また、テック21の復刻の企画は今回限りになることと、テック21関連の資生堂商品が再び発売されないことをご案内しておきます」
■中須賀、テック21カラーで戦うことを「誇りに思う」
発表会には、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームを率いる吉川和多留監督と中須賀も登場。中須賀は、復刻カラーのマシンと鈴鹿8耐5連覇に向けた意気込みを次のように語る。
「自分自身は2006年からヤマハとレースを戦うことになって、数々の諸先輩方からの話を聞いています。この特別なカラーに自分が跨って鈴鹿8耐を戦えることは誇りに思いますし、それに負けないようにしっかり結果を出さなければならないので、気が引き締まる思いです」
「2015年から戦ってきましたが、これひとつとして楽なレースはありませんでした。2018年は、自分が土曜日に転倒してしまい、決勝を走らずに結果だけがついてきました。嬉しかったですが、悔しさが残る鈴鹿8耐になってしまいました」
「またこうしてここに立てているということは、(5連覇に)チャレンジできるということで、復刻版のテック21カラーに負けないような結果を出さなければいけないですし、ライダーも今年で3年目の組み合わせなので、非常に相性がいいので、チーム一丸となって5連覇という記録に挑みたいと思います」
吉川監督は「(テック21カラーは)当時、高校生くらいで憧れていた世代です。本当はライダーで参戦したい気持ちはありますが、そこは置いておいて(笑)。ライダー体制は今年で3年目となり、コース上、コース外でもコンビネーションがよく笑顔が絶えない裏にはなっています」とコメント。
「SBK(スーパーバイク世界選手権)ライダーのふたりは好調ですし、中須賀選手も好調をキープしています。ですが、他メーカーが力を入れて戦闘力があがってきたので、もう一度バイクを見直して底上げするためにバランスを崩してさらにステップを上げている最中です。それを本番の決勝までに組み立てて、さらに強いヤマハを見せたいと思います」