レッドブルのモータースポーツコンサルタントを務めるヘルムート・マルコは、バルセロナF1合同テストでニキータ・マゼピンがメルセデスでトップタイムを記録したことから、W10が圧倒的な速さを持っていることがより明確に証明されたと発言した。
現在FIA-F2に参戦しているマゼピンの父親はロシアの富豪で、20歳の息子のレース活動を支援しており、昨年は彼が関与するロシアの大手肥料会社ウラルカリ社がフォース・インディアの買収を検討、最近ではウイリアムズ取得に動いているともうわさされている。
ニキータは今年、2017年型メルセデスF1マシンでプライベートテストを行っているといわれ、そのパーソナルトレーニング契約には、W08でのさまざまなサーキットにおける12日間の走行テストが含まれているものとみられる。
スペインGP後に行われたF1インシーズンテスト2日目にメルセデスはマゼピンを起用、2019年型W10のステアリングを託した。マゼピンは、この日走行した13人のドライバー中最速のタイムを記録した。
マルコは、それはドライバーの力ではなく、すべてマシンの優秀さによるものであると主張した。
「二流のF2ドライバーが乗って、いきなり速さを発揮できるのだから、メルセデスがどれほど優れたマシンかが分かる。かつてないほどの優勢さだ」とマルコはAuto Bildに対して語った。
「メルセデスがそのことを隠そうともしなかったことに驚いた。マゼピンに対して最速タイムを出すのを控えるよう指示しなかったのだ。そのため、このマシンの優位性が明らかになった」
■「モナコGPでフェラーリは苦戦する」とマルコは予想
次のモナコGPが開催されるモンテカルロ市街地コースは、近年メルセデスにとってそれほど得意なサーキットではなかったが、今年はレッドブルとフェラーリ以上の強さを発揮するものとマルコは予想している。
「メルセデス車のホイールベースは他より長いものの、(モナコで)彼らのアドバンテージはより大きなものになるだろう」とマルコは言う。
「優れたトラクションを持つマシンであり、それがモナコで強さを発揮する。我々もパフォーマンス向上を図ってきたが、まだ十分ではない」
「フェラーリは、優れたダウンフォースとトラクションを生み出せなければ、モナコでは6位か7位で終わるだろう」
「彼らの弱点はバルセロナの最終セクターで露わになった。あのセクターはモナコと似通っている。フェラーリのエンジンは非常に優れているが、ダウンフォースとトラクションが足りない」