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MotoGP第5戦フランスGPで今季初の転倒リタイアを喫した中上「突然フロントが切れ込んだ」

2019年05月20日 17:01  AUTOSPORT web

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中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)
MotoGP第5戦フランスGPで、中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は2019年シーズン初の転倒リタイアを喫した。「突然フロントが切れ込み、転んでしまった」と中上は転倒について説明する。

 フランスGPは天候に翻弄されたウイークだった。雨の予選日を見越した中上は、ドライコンディションのセッションとなった初日のフリー走行2回目で9番手タイムをマークする。

 予選日は予想どおり断続的に小雨が降り、フリー走行3回目ではウエットコンディションのセッションとなった。そのためタイムは軒並み更新されることはなく、中上はねらいどおりフリー走行2回目のタイムで予選Q2進出を決めた。

 難しいコンディションのなか臨んだ予選ではタイヤ選択に頭を悩ませ、予選の最後には転倒している。そんななかで中上が獲得したグリッドは7番手。MotoGPクラスにおける、自己ベストグリッドだった。中上は「こんなに集中して走った予選は初めての経験」と振り返るが、一方で、変化する状況にうまく適応していたようだ。

 しかし決勝レースの路面状況は、予選日から一転してドライ。ドライコンディションでの走行時間が短かったために、中上はレースディスタンスに不安があったという。レースではハンドリングにも苦戦を強いられた。

「目標は1分32秒台で周回することでしたが、33秒台を越えることができず、苦しいレースになりました。今日はブレーキングはよかったのですが、そこからのターンインでものすごく取り回しが重くて、気持ちよく乗れませんでした」

 全ライダーのなかで唯一、中上はフロントにミディアムタイヤを履いた。これは、ソフトタイヤではレース終盤に厳しいだろうと見越したもので、「タイヤの温度はしっかり上がり、フィーリングもとてもいいものでした」と、タイヤ選択に間違いはなかったと語っている。

 中上は、レースでは10番手付近の争いになると考えていたという。そして、レース展開はそのとおりとなった。オープニングラップを10番手で終えると、以降は10番手から12番手で周回を重ねた。そして19周目の11コーナーで、中上は転倒を喫する。

「突然フロントが切れ込み、転んでしまいました。なんの徴候もなく、あっという間のことでした」

 今季初となる転倒リタイア。中上が転倒によるリタイアを喫したのは、2018年第9戦ドイツGP以来のことだ。

「今日は限界ぎりぎりだった」と決勝レースを振り返った中上。その言葉が、厳しいレースだったことを物語っていた。