ベルギー・ゾルダーで開催されたDTMドイツ・ツーリングカー選手権第2戦。19日に行われたレース2は、レネ・ラスト(アウディRS5 DTM/アウディ・スポーツ・チーム・ロズベルグ)が制し、今季2勝目を早くも挙げた。
1994年以来の開催となったゾルダー・サーキットでのDTM。レース2の予選は、13日に20歳になったばかりのシェルドン・ファン・デル・リンデ(BMW M4 DTM/BMWチームRBM)が最年少でポールポジションを獲得する。
「昨日勝利したフィリップ(エンゲ)よりも幸せさ。信じられないね。まだ4回目のDTMレースなんだ。若いころから夢見てきた。DTMに参戦するだけで素晴らしいが、最初のポールはアメイジングだね」とファン・デル・リンデ。
2番手は0.06秒差の僅差でラスト、前日のウイナー、フィリップ・エンゲ(BMW M4 DTM/BMWチームRMR)が3番手と続く。
55分+1周で争う決勝レース。ファン・デル・リンデは好スタートを見せホールショットを決める。
エンゲはスタートでラストを交わし2番手に浮上。その勢いで2コーナーでファン・デル・リンデを狙うもアウトに膨らんでしまい、ラストだけでなくティモ・グロック(BMW M4 DTM/BMW チームRMR)、ロビン・フラインス(アウディRS5 DTM/アウディスポーツ・チーム・アプト・スポーツライン)に交わされ5番手までポジションを下げてしまう。
4周目の1コーナーでフラインスがグロックのインを差し3番手を奪う。
ルーキーが逃げるのを許さないラストは1秒以内でスキを伺いながらファン・デル・リンデを追走する。
8周目終わりでエンゲは前日と同じく早めにピットインへと向かう。10周終わりでグロック、フラインスもタイヤ交換を行う
ラストは11周目の1コーナーでファン・デル・リンデをオーバーテイク。一気にルーキーとの差を広げていく。
フラインスは、グロックをピットインで交わしエンゲの前でピットアウト。死守するも守り切れずポジションをダウンする。
ファン・デル・リンデは11周目終わりでピットインへ。翌周にラストもピットインへと向かう。
ファン・デル・リンデはエンゲの前でピットアウトし、エンゲの猛攻を防ぎきる。ラストは彼らの前でピットアウトし、ファン・デル・リンデの前をキープする。
トップに立ったマルコ・ウィットマン(BMW M4 DTM/BMWチームRMG)は16周を走行しピットアウト。エンゲ、フラインス、グロックのポジション争いに参加。さらにジェイミー・グリーン(アウディRS5 DTM/アウディスポーツ・チーム・ロズベルグ)も加わり、5台が数珠つなぎで走行していく。
22周目、1コーナーの立ち上がりでウィットマンがフラインスに接触。押し出されたフラインスはスピンを喫し、芝生にストップ。マシン撤去のため、セーフティカーが導入される。
ここで2度目のピットインを行い、ニュータイヤで追い上げを狙うドライバーたちも現れる。
マシン撤去に時間かかりレースは55分+3周に変更。残り15分を切った、27周目にラスト、ファン・デル・リンデ、エンゲ、グロックの順でリスタートへ。
ラストは素晴らしい加速を見せトップをキープ。ファン・デル・リンデが出遅れ、エンゲが2番手に。ウィットマンはグロックに交わされ、さらにグロックのリヤにぶつかりコースオフ。グロックもコースをはみ出し、マイク・ロッケンフェラー(アウディRS5 DTM/アウディスポーツ・チーム・フェニックス)が4番手に浮上する。
29周目、セーフティカー中にニュータイヤに履き替えたグリーンが、前を行くグロックとジェイク・デニス(アストンマーティン・ヴァンテージDTM/Rモータースポーツ2)を1コーナーでまとめてオーバーテイク。
5番手にポジションをアップしたグリーンは、ロッケンフェラーを捉える32周目に交わし、3番手のファン・デル・リンデをターゲットに捉える。
ラストは悠々とトップを快走し、55分を経過。残りは3周となり、ファン・デル・リンデ、グリーン、ロッケンフェラーの3位争いが激化する。
ラストはトップチェッカーを受け、今シーズン2勝目。4戦中2勝、2戦リタイアと勝利かリタイアかというレースを展開している。
2位にエンゲ。ポジションをファイナルラップまでファン・デル・リンデが死守したが、最後のシケイン前にグリーンがオーバーテイクし3位を獲得。
ファン・デル・リンデは、シケインでロッケンフェラーにもねじ込まれ5位でレースを終えた。
「今日再び達成することができて信じられないね。昨日のダメージから素晴らしい車にクルーたちは戻してくれ、特に感謝したい。流れがあるときは、すべてがうまくいくものだね」とラストは喜びを語っている。
DTMドイツ・ツーリングカー選手権の次戦は、イタリア・ミザノで6月7~9日に開催。MotoGPにドゥカティのエースライダーとして参戦するアンドレア・ドヴィツィオーゾがゲスト参戦する。