2019年のADACトタル・ニュルブルクリンク24時間レースの予選レースが5月18~19日、ニュルブルクリンクで行われ、ワーケンホルスト・モータースポーツのクリスチャン・クログネス/デイビッド・ピタール/ニコラス・イェロリー組BMW M6 GT3が優勝を飾った。日本勢も多数が参戦し、上位フィニッシュを果たしている。
6月のニュルブルクリンク24時間本番に向けた予選レースは、今回も100台以上のエントリーを集めて開催されたが、フリープラクティスを経て行われた2回の予選、トップ30クオリファイを経てメルセデスAMG・チーム・ブラックファルコンのパトリック・アッセンハイマー/ニコ・バスティアン/イェルマー・ブールマン/ガブリエレ・ピエナ組メルセデスAMG GT3がポールポジションを獲得。アウディ、BMW、ポルシェとドイツ勢が上位を占めた。
6時間で争われた19日の決勝では、ワーケンホルストのBMW M6 GT3がトップフィニッシュ。12秒差でローヴェ・レーシングの99号車BMW M6 GT3が続き、さらに同じローヴェの98号車BMWが3位でフィニッシュ。BMW M6 GT3勢が表彰台を独占する結果を残した。4位はフライカデリ・レーシングチームのポルシェ911 GT3 R、ポールからスタートしたブラックファルコンのメルセデスは5位でフィニッシュしている。
今回の予選レースには多数の日本チーム、日本車、そして日本人ドライバーが参戦したが、SP9のPRO-AMクラス優勝・総合9位に食い込んだのは、ニコ・メンゼル/エドアルド・リベラティ/クリスター・ヨンス/マシュー・バクシビエール組KCMGの39号車ニッサンGT-RニスモGT3。今回からライセンスを取得したジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが乗り込んだKCMGの38号車GT-RもSP9のPRO-AMクラス2位・総合11位に入り、KCMGはSP9のPRO-AMクラスでワン・ツーフィニッシュを飾った。
また、今回WTCR参戦のためトム・コロネルを欠いたものの松田次生/高星明誠/藤井誠暢のトリオで参戦したKONDO Racingの45号車ニッサンGT-RニスモGT3は、予選で総合18番手に食い込みトップ30クオリファイに進出。トップ30予選では雨だったため23番手からスタートしたものの、決勝でもノーミス、ノートラブルの安定した走りをみせ総合17位でフィニッシュ。本番へ向け期待を抱かせる結果を残した。
SP9クラスでは、今季からレーシングプロジェクトバンドウとNOVEL Racingのコラボレーションして参戦している19号車レクサスRC F GT3がドミニク・ファーンバッハー/吉本大樹/ミハエル・ティシュナーのドライブで予選では26番手タイムをマーク。レースでも20位でフィニッシュしている。
また、SP-PROクラスに参戦したTOYOTA GAZOO RacingのレクサスLCは、土屋武士/蒲生尚弥/松井孝允/中山雄一という4人がドライブし、トップ30クオリファイに進出すると総合24位を獲得。レースでも24位フィニッシュを果たした。
TOYOTA GAZOO Racingはさらに、日本でも発表されたばかりのGRスープラが登場。佐々木雅弘/矢吹久/ヘルビグ・デーナンス/ウベ・クリーンのドライブで、予選ではGT4マシンと同等の9分31秒664をマークしているが、レースでは燃料系のトラブルによりストップを喫した。
そしてニュルブルクリンクに挑戦を続けるSP3TクラスのスバルWRX STIは、カルロ・バンダム/ティム・シュリック/山内英輝/井口卓人のクルーで予選では総合41番手につけると、レースでも総合34位フィニッシュ。SP3Tクラス優勝を成し遂げた。STIの辰巳英治監督は「昨年うまくいかなかった点を改善し、国内テストで走行実績を重ねてきた甲斐がありました」と手ごたえと課題を得ている様子だ。