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ホンダ期待の『ヤングガンズ』福住、牧野が揃ってスーパーフォーミュラ初入賞も「ポイント獲得で喜んでいるようじゃダメ」

2019年05月19日 20:11  AUTOSPORT web

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スーパーフォーミュラ第2戦オートポリス決勝で5位入賞を果たした福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
ホンダの次代を担うふたりが同じタイミングで結果を残した。昨年はFIA-F2と兼任の形になり、今年からスーパーフォーミュラにシリーズ参戦する福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)と今季ルーキーの牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING)がスーパーフォーミュラ第2戦オートポリスで4位(牧野)、5位(福住)と初入賞を果たした。

 欧州のGP3にも参戦していた福住はこのオートポリスはまったくの初レース。しかも、土曜日からセッションが中止になるなど走行時間がわずかななか、日曜午前の予選では荒れた展開で3番手を獲得。しかし、福住はまったく喜ぶそぶりを見せない。「あの予選は、レースに向けての順位にしてはいけないと思っていますし、フェアじゃない状況での結果だと思っています」と福住。

 レースに関しても、3番手からセーフティカー中のピットストップを経て10番手まで順位を下げるも、そこからオーバーテイクを連発して順位を上げて5位フィニッシュを果たした。

「初めてのオートポリスで、スーパーフォーミュラ初めてのポイント獲得、素直にポイントを獲得できたことは嬉しいですけど、ポイント獲っただけで喜んでいるようじゃダメだと思っています」と福住。

「今日は5位まで順位を取り戻したというのは良かったかなと思うんですけど、やっぱり後ろのグリッドからスタートしてセーフティカーの時にピットに入らなかったドライバーたちが前にいる。僕は今回、セーフティカーが入ったときにピットインして間違った選択ではなかったと思いますし、『今回イケるかも』と思っていたんですけど、いざフルタンクで走行してみると前の集団をなかなか抜けなくて、ちょっと辛いレースになりました」

「それでも後半、前がいなくなったときのペースは良かったと思いますので、クルマが重いときの走りを改善できればなと思います。クルマのセットアップ、そしてタイヤの使い方、重たいときの走り方と全部ですね。そこはこれからチームと話をしていきたいと思います。今日のレースはいい勉強になりました」と今日のレースを振り返った。

 一方、同じ1997年生まれ(だが、学年は福住がひとつ上)で同期とも言える牧野も、奇しくも福住と同じレースでスーパーフォーミュラ初入賞を果たした。

■福住と同じくスーパーフォーミュラ初入賞の牧野「ポイントも大事ですけど、勝つためにやっていますので」

 牧野は13番グリッドのスタートながら、セーフティカーのタイミングでほとんどのドライバーがピットインするなかステイアウトを選び、3番手になると2番手の国本雄資(KONDO RACING)をオーバーテイクして2番手に。その後、トップの関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)がピットインした後はトップを周回して1分31秒台の速いラップタイムでギャップを稼ぎ、ピットイン後、4番手チェッカーを受けて初ポイントを獲得した。

「今日はまず、予選は本当、何もしていないというか不本意というかストレスが溜まりましたけど、そこからこうやって2台でポイントを獲得できたのは良かったかなと思います。個人的にも(土曜日に)デカいクラッシュをしてしまったので、チームにとっても良かったかなと思いますけど、表彰台に乗れたかなという気持ちもあります」と、悔しい表情を見せる牧野。

 それでも、多くのドライバーがセーフティカー中にピットインを済ませるなか、ステイアウトを選んだのは結果的に牧野にとっては大正解だった。そこに牧野のフィロソフィが垣間見える。

「ステイアウトは雨の可能性もあったので、引っ張るだけ引っ張ろうと思っていましたし、周りと反対のことをしようと思っていました。関口選手と戦略が一緒になってしまったんですけど、前の国本選手を抜くのに時間が掛かってしまって、それが痛かったですね。その後は1分31秒台で走行できてペースが良かっただけに、もったいなかったですね」と、牧野。スーパーフォーミュラ初入賞にも関わらず、笑顔はまったくない。

「ポイントも大事ですけど、ポイントがほしくてレースをやっているわけではないですし、勝つためにやっていますので。今日はいいレースができたので、次のレースはしっかり予選で前に行って優勝を狙えるように頑張ります」と、プライドを見せた。

 福住、牧野ともに今年の成績次第ではF1へのステップアップも見えてくる。まだまだふたりにとっては初入賞は通過点にすぎないが、その大いなる目標に向けての一歩を、まずはこのオートポリスで踏むことができたのではないか。次のSUGO、2歩目はどんなステップを踏むのだろう。