ベルギー・ゾルダーで開催されているDTMドイツ・ツーリングカー選手権第2戦。18日に行われたレース1は、タイヤ交換のタイミングが功を奏し、参戦2年目のフィリップ・エンゲ(BMW M4 DTM/BMWチームRMR)がDTM初勝利を挙げた。
1994年以来のDTM開催となるゾルダー・サーキット。予選は、マルコ・ウィットマン(BMW M4 DTM/BMWチームRMG)が0.042秒差でレネ・ラスト(アウディRS5 DTM/アウディ・スポーツ・チーム・ロズベルグ)を逆転。1分21秒307を記録しポールポジションを獲得する。
2番手にラスト、3番手にブルーノ・シュペングラー(BMW M4 DTM/BMWチームRMG)、4番手には、期待のルーキー、シェルドン・ファン・デル・リンデ(BMW M4 DTM/BMWチームRBM)が続く。
55分+1周で争う決勝レース。スタートでホールショットを奪ったのは好スタートを見せたシュペングラー。ウィットマン、ラストと続いていく。
アストンマーティン勢はポール・ディ・レスタをはじめ、3台が早めのタイヤ交換を行う。ロビン・フラインス(アウディRS5 DTM/アウディスポーツ・チーム・アプト・スポーツライン)、ピエトロ・フィッティパルディ(アウディRS5 DTM/WRTチーム・アウディ・スポーツ)、ロイック・デュバル(アウディRS5 DTM/アウディ・スポーツ・チーム・フェニックス)の3台がフライングでペナルティが科せられる。
トップを走るシュペングラーは、なかなか後続を引き離せず、上位争いはミスのできない僅差の争いに。
上位陣で最初にピットへ向かったのは5番手のエンゲ。11周目終わりでタイヤ交換を行ったが、このタイミングが彼に幸運をもたらす。
13周目のターン11でダニエル・ジュンカデラ(アストンマーティン・ヴァンテージDTM/Rモータースポーツ2)が、マシントラブルのためストップ。同じアストンマーティンのジェイク・デニスもピットレーン入り口でストップし、マシン撤去のためにセーフティカーが導入される。
19周目からレースは再開。ファン・デル・リンデがリスタートでラストを交わし3番手に浮上。しかし、トップのシュペングラーから6番手のフラインスまではタイヤ交換を終えておらず、タイヤ交換組のトップは、リスタートでジョエル・エリクソン(BMW M4 DTM/BMWチームRBM)を交わした7番手のエンゲに。
この周終わりでシュペングラー、ファン・デル・リンデがタイヤ交換へ。セーフティカーが入ったことでレースディスタンスは、55分+3周に変更される。
ペースの上がらない2番手のラストは、22周目にエンゲに1コーナーでオーバーテイクされ3番手に落ちると、翌周にはエリクソンらにも交わされ6番手にポジションダウン。ラストは、マシントラブルを抱えていたようで27周でピットにマシンを止め、今季2度目のリタイアとなった。
ウィットマンは25周目終わりでピットイン。トップはエンゲ、2番手にエリクソン、ニコ・ミュラー(アウディRS5 DTM/アウディスポーツ・チーム・アプト・スポーツライン)、ジェイミー・グリーン(アウディスポーツ・チーム・ロズベルグ)が4秒以内で続く。
残り10分、エンゲは3秒以上のリードを築きトップを快走。3台による2番手争いは、20周目にグリーンがタイムロス。エリクソンとミュラーが争う。
36周目に55分が経過。残り3周のバトルに。エンゲはそのまま逃げ切り、運を味方に今シーズン初勝利。テイル・トゥ・ノーズの激しい2番手争いは、ファイナルラップまで続いたが、エリクソンがミュラーを抑え2位を獲得した。
DTM初勝利を挙げたエンゲは、「世界で最も幸せだよ。DTMに参戦できて、BMWでレースができてうれしいね。勝つことは素晴らしいことだ。いつも夢に見ていたシナリオだけど、現実は夢よりもはるかにいいね」
「最後の5、6周は24時間レースと同じくらい長く感じた。いくつかの運があったけど、僕たちは勝利に値したと思うよ」
「この勝利をチャーリー・ラムに捧げたい。彼は僕たちにとって大切な友であり、僕にとって特別な存在だった。彼は僕に夢を追うように言ってくれたことがある。チャーリーありがとう、今日はあなたをそばに感じることができた」とコメントしている。