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天候に翻弄されたMotoGPフランスGP予選、転倒を喫したマルケスがポール獲得。中上は自己ベストの7番手

2019年05月18日 23:21  AUTOSPORT web

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マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)
MotoGP第5戦フランスGPの予選がル・マン-ブガッティ・サーキットで行われ、MotoGPクラスはマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)がポールポジションを獲得した。また、中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は7番手につけ、難しいコンディションのなか行われた予選で、MotoGPクラスでの自己最高グリッドを獲得している。

MotoGPクラスの予選日は懸念されていたとおり、終日、雨による微妙なコンディションとなった。MotoGPクラスのフリー走行3回目のセッション開始時点では水しぶきが上がるほどではない路面状況ではあるものの、各ライダーはレインタイヤを装着して走行を行った。

開始25分ごろ、ジャック・ミラー(プラマック・レーシング)がそれまでトップだったマーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)のタイムを0.019秒更新する1番手タイムをマーク。ミラーはその後2周連続でタイムを詰め、トップをキープする。

残り10分を切ると、ビニャーレスやアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ・チーム)、そしてマルケスにトップが入れ替わる。セッション残り時間4分を切ったところでミラーが再びトップに浮上するも、さらにそのタイムをビニャーレス、マルケスが更新する激しいタイムアタック合戦。

最終的にこのセッションを制したのはビニャーレスで、最後のアタックで1分42秒498のトップタイムをマークした。2番手にはマルケス、3番手にミラーが続き、前日のフリー走行1回目でトップタイムをマークしたファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)は13番手。中上は18番手だった。

ウエットコンディションで行われたこのセッションで、各ライダーは前日のタイムを更新することができず、初日の総合結果が予選Q1とQ2を分けた。バレンティーノ・ロッシ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)、チーム・スズキ・エクスターのアレックス・リンスとジョアン・ミルなどがQ1から予選に臨むこととなった。

予選の直前に行われたフリー走行4回目はセッション序盤、微妙な路面コンディションからか大半のライダーがピットで待機。そんななか走行を開始したマルケスが9コーナーで転倒を喫する。マルケスはピットに戻り、セッション中盤ごろまで走行を見合わせた。

セッション残り15分ほどを過ぎると、多くのライダーがコースイン。レインタイヤで走行を行った。フリー走行4回目はトップがマルケス、2番手はペトルッチ、3番手はビニャーレスというトップ3。翌日の決勝レースもウエットまたはそれに近いコンディションになると予想されており、フラッグ・トゥ・フラッグを想定したマシン乗り換えのシミュレーションを行う様子も見られた。
■天候に翻弄された予選。Q1でロッシがスリックタイヤを投入
予選Q1は気温14度、路面温度16度のウエットとドライのミックスコンディションで行われた。このセッションから予選に挑んだロッシを除き、ライダーたちはレインタイヤを履いてアタックを開始。ロッシは前後ともにソフトのスリックタイヤを装着して最初のアタックに臨んだ。

最初のアタックでトップを奪ったのはそのロッシだった。ロッシは1分39秒074をマーク。2番手につけるフランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)はレインタイヤを履いて1分39秒262。さらにロッシはタイムを更新し、1分37秒667を叩き出す。

これを受け、レインタイヤを履いていたライダーが続々とピットイン。ソフトのスリックタイヤを履いたマシンに乗り換える。しかし、スリックタイヤでコースインしたのち、再びレインタイヤのマシンに戻すライダーもおり、路面はかなり複雑な状況だったようだ。

ロッシは6周のアタックを行ったのち、ピットイン。2番手のモルビデリに対し約1.6秒のアドバンテージを築いて静観の構え。

最終的に、レインタイヤでもスリックタイヤでも、ロッシがマークしたトップタイムを上回るライダーは現れなかった。ロッシは戦略が見事に功を奏して、Q1突破。そして2番手のモルビデリがQ2進出を決めている。

続いて行われた予選Q2では雨が落ち、路面状況もウエット。ただ、最初のアタックではライダーによってレインタイヤ、スリックタイヤの選択が分かれた。ほとんどのライダーはレインタイヤを選択。スリックタイヤを選択したのは、ビニャーレス、クアルタラロ、そしてロッシのヤマハライダー3名である。

ただ、このスリックタイヤ勢は1周すると、ピットに戻ってレインタイヤを装着したマシンに乗り替えた。

セッション開始5分を過ぎたころ、トップタイムをマークしていたマルケスが6コーナーで転倒。マルケスはフロントを切れ込ませると、そのままコース外側のグラベルに滑っていった。しかし、すぐにマシンを引き起こすと、コースに戻っている。

さらにセッション終盤、ポル・エスパルガロ(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)や3番手につけていたミラー、Q2から予選に臨んだ中上が相次いで転倒を喫する。

マルケスが2周目に記録したトップタイム、1分40秒952は最後まで誰にも更新されることはなかった。マルケスは転倒を喫しながらもポールポジションを獲得。2番手にはペトルッチ、3番手はミラーとドゥカティ勢が並んだ。

Q1をトップタイムで突破したロッシは5番手。初日の苦戦をばん回し、予選でヤマハ勢トップのグリッドを獲得した。一方、ビニャーレスは11番手、クアルタラロはMotoGPクラスで初めて雨の予選を経験し、10番手。

中上は7番手で、2列目には惜しくも届かなかったものの、MotoGPクラスでの自己ベストグリッドを獲得している。

複雑なコースコンディションのなか、タイヤ選択や転倒などの要素が絡み合う予選となった。