2019年からスタートしたTCR規定の新ツーリングカーレース、TCRジャパンシリーズの第1戦サタデーシリーズが5月18日に行われ、ポールポジションを獲得したマシュー・ホーソン(ホンダ・シビック・タイプR TCR)が逃げ切り優勝。記念すべき初のTCRジャパンウイナーとなった。
13時05分からスタートしたサタデーシリーズの公式予選は、午前に比べ雨脚も強まり、メインストレートに対して強い向かい風が吹くなかでスタートした。20分のみの予選のなかでタイムを出そうと各車が一斉にコースインしアタックを展開していくが、開始から3分後、ターン16で前嶋秀司(アルファロメオ・ジュリエッタTCR)がコースアウト。グラベルストップしてしまい、この回収のため赤旗中断となってしまった。
セッションは13時17分に再開されるが、その後も密山祥吾(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)やふたたび前嶋がコースアウトを喫するなど、スリッピーな状況は変わらず。そんななか、2分11秒050をマークしていた篠原拓朗(アウディRS3 LMS)が記念すべきTCRジャパンシリーズの初めてのポールシッターとなるかと思われたが、チェッカー周にホーソンが2分10秒625をマーク。ポールポジションを獲得した。
2番手につけたのは篠原で、3番手には金丸ユウ(ホンダ・シビック・タイプR TCR)が、4番手には密山が続いた。5番手には松本武士(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)がつけ、実力派のドライバーたちが上位を占めている。
■決勝は終盤までTCRらしい接近戦が展開
全日本スーパーフォーミュラ選手権の公式予選の際に強まっていた雨は、16時15分のTCRジャパンシリーズのサタデーシリーズ決勝レース時には止み、風は強いままだったものの、急速にコース上の水量が減っていくなかでセーフティカースタートとなった。なお、前嶋は決勝のグリッドにつくことはできなかった。
3周目にレースが始まるが、ポールスタートのホーソンに篠原、そして金丸が続いていく展開。ウエットコンディションということ、翌日にサンデーシリーズも控えていることから、序盤は接近しつつも、ツーリングカーらしいバトルはやや控えめ。一方で、ブロンズドライバーたちによるジェントルマンクラスの戦いは、1周目からKENJI(アウディRS3 LMS)と塩谷烈州(ホンダ・シビック・タイプR TCR)がバトルを展開。1コーナーで2台は接触し、塩谷が順位を落としてしまった。
中盤まで白熱したのはジェントルマンクラスで、KENJIがトップを走っていたものの、7周目の第2ヘアピンでコースオフ。これでYOSHIKI(アウディRS3 LMS)とYUKU TANIGUCHI(ホンダ・シビック・タイプR TCR)のバトルがトップ争いに変化。さらに8周目、YOSHIKIにプレッシャーをかけたYUKU TANIGUCHIがクラストップに浮上し、かつてWTCCで戦ってきた実力をみせた。
一方、終盤に白熱したのは総合のトップ争い。ホーソンを先頭に篠原、金丸の3台が三つ巴の戦いとなっていった。ファイナルラップまで3台は接近戦を展開したものの、最後はホーソンが逃げ切りチェッカー。記念すべきTCRジャパンシリーズの初レースをポール・トゥ・ウインで飾った。
2位は篠原、3位は金丸で、4位は密山、5位は松本とフォルクスワーゲン勢が続いた。ジェントルマンクラスは混戦を勝ち抜いたYUKU TANIGUCHIがトップチェッカーを受け、ホーソンとともにKCMGが2クラスを制した。YOSHIKIがHIROBON(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)を抑えきりジェントルマンクラスの2位となった。
TCRジャパンシリーズ第1戦オートポリス サタデーシリーズ決勝結果
PosNoDriverTeamCarLaps118マシュー・ホーソンKCMGホンダ・シビック・タイプR TCR11221篠原拓朗Hitotsuyama RacingアウディRS3 LMS TCR1135金丸ユウTEAM GOH MODELSホンダ・シビック・タイプR・TCR11452密山祥吾埼玉トヨペット GreenBraveフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR11525松本武士Volkswagen 和歌山中央RT with TEAM 和歌山フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR11672YUKE TANIGUCHIKCMGホンダ・シビック・タイプR・TCR11723YOSHIKIN-SPEEDアウディRS3 LMS TCR11819HIROBONバースレーシングプロジェクト【BRP】フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR119190植田正幸バースレーシングプロジェクト【BRP】アウディRS3 LMS TCR111062塩谷烈州TEAM G/MOTION’ホンダ・シビック・タイプR・TCR111155Mototino55 MOTO RACINGアルファロメオ・ジュリエッタTCR111210佐藤潤Adenauフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR111324KENJIN-SPEEDアウディRS3 LMS TCR11147牧野淳NILZZ RacingアウディRS3 LMS TCR11R33前嶋秀司GO&FUN Squadra Corseアルファロメオ・ジュリエッタTCRDNS
※ファステストラップ:
マシュー・ホーソン(ホンダ・シビック・タイプR TCR) 2'10.224(3/11)
YOSHIKI(アウディRS3 LMS) 2'11.535(3/11)
※ペナルティ
No.24は、TCRジャパンシリーズ2019競技規則 第9条9-1.違反(危険なドライブ行為)により、競技結果に対し30秒加算のペナルティを科す。