インディカー・シリーズ第6戦にスケジュールされた第103回インディ500。走行4日目となる17日は、コナー・デイリー(アンドレッティ・オートスポート)がトップスピードを記録した。
佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は3番手。フェルナンド・アロンソ(マクラーレン・レーシング)は24番手となった。
予選前最後のプラクティス走行となる金曜日の走行は、ファストフライデーと呼ばれ、この日から予選終了までの3日間は、ブースト圧が引き上げられ、さらにスピードアップする。
11時から18時まで走行が行われ、アンドレッティ・オートスポート勢が速さを見せた。
走行開始から約50分で、トラックに出てわずか2周目のカイル・カイザー(ユンコス・レーシング)が宙を舞うクラッシュを喫する。カイザーに大きなケガはなかったが、予選前の貴重な走行時間を無駄にしてしまった。
その後は18時まで大きなクラッシュはなく、予選に向けて各車走行を重ねた。12番手のトニー・カナーン(AJフォイト)までが230mphに入るスピードを記録し、トップスピードをマークしたのはアメリカ空軍をメインスポンサーにスポット参戦するコナー・デイリーだった。
デイリーは、1周を38秒8426で走行し231.704mphを記録。アンドレッティ・オートスポート勢は好調で、マルコ・アンドレッティが2番手、ライアン・ハンター-レイが5番手に入った。
「ここにいられることに本当に感謝している、このチームの一員になることは素晴らしいし、インディで明らかに成功を収めているよね。明日がどうなるのか、興味深いよ」とデイリー。
アンドレッティ・オートスポートのふたりに続いたのは2017年のウイナー、佐藤琢磨。琢磨は、39秒0024で走行し230.755mphを記録した。
「今日は多くのクルマが走っており、大きなトウとなって速度も上がりました。見なければならないのはノートウスピードです。僕の場合は、今のところ特別ではないですね。明日、僕たちがどれだけできるかわかりませんが、今夜3台のデータを調べ、明日の目標を確認する必要がありますね」と琢磨。
ノートウラップでは16番手と不安を感じている。チームメイトのグラハム・レイホールは22番手だったがノートウでは6番手。ジョーダン・キングは32番手(ノートウ27番手)となっており、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングのチーム力が明日に向け問われるだろう。
4番手はスペンサー・ピゴット。チームメイトでオーナーのエド・カーペンターも6番手に入り、さらに単独での走行となるノートウラップでは、トップがエド・ジョーンズ、2番手にエド・カーペンターとエド・カーペンター・レーシングが上位につけた。
今年もエド・カーペンター・レーシング勢が予選で強さをみせそうだ。
昨年のポールを獲得したエド・カーペンターは、「期待したほどうまくいかなかったが、僕たちは速い車を持っている。バランスを崩して、技術的な不具合も出ていたが、みんないい仕事をしてくれた」とコメント。
プラクティス走行2日目のクラッシュで前日はマシンのリペアーに追われたマクラーレン・レーシングのフェルナンド・アロンソ。ファスト・フライデーは、77周を走行し最後にベストスピードを記録して24番手で走行を終えた。
明日から2日間行われるインディ500の予選。初日は、くじ引きで決まった順にアテンプトと呼ばれる1回4周の計測を行う。平均速度で順位が争われ、全員が1回のアテンプトを終えれば、17時50分まで何度でもアテンプトは可能だ。
上位9台が日曜日にポールポジションを争うポールシュートアウトへ。10番手から30番手は、その順位でグリッドが決定。31番手以下は翌日のラストローシュートアウトに進み、3つのグリッドをかけて翌日争うことになる。
昨年はポールポジションを獲得したこともあるジェームズ・ヒンチクリフが予選落ちとなるドラマが生まれたインディ500。今年も白熱したアテンプト合戦が繰り広げられるだろう。