トップへ

『なつぞら』効果で舞台・十勝への観光客も倍増? 地元関係者に反響を聞く

2019年05月18日 06:11  リアルサウンド

リアルサウンド

写真

 主人公・なつ(広瀬すず)が、自身の夢に向かい新たな一歩を踏み出そうとしている『なつぞら』(NHK総合)。連続テレビ小説100作目である本作は、期待に違わぬ内容で、毎朝全国の視聴者を魅了にしている。


 キャスト陣の好演、骨太な大森寿美男による脚本に加え、作品の大きな魅力となっているのが、北海道の雄大な自然風景だ。舞台となった北海道・十勝ではどのような反響が起きているのか。「十勝観光連盟・帯広観光コンベンション協会」専務理事の鈴木新一氏は、『なつぞら』の反響を次のように語る。


「放送が開始されてから1カ月半が経ちましたが、ここまでの反響は予想以上です。特に今年はゴールデンウィークが10連休だったこともあり、全国各地からたくさんの方が帯広に足を運んでくださりました。市内に3カ所ある『なつぞら』の展示コーナーには、連休中には約7500名ほどの来場があり、すぐそばにある十勝観光案内所も昨年比2倍の利用者でした。地元の十勝毎日新聞のweb版でも、『なつぞら』の記事が4月月間アクセスランキングで1位、2位を占めております。帯広市内の食品スーパーでは、『なつぞら』のロゴが入った限定商品を1日1000個限定で販売したのですが、10分で完売。ほかにも市内の飲食店売上が伸びており、夏の行楽シーズンに向けてさらに盛り上がっていきそうです」


 当サイトでは、今年1月に舞台となっている陸別町での撮影を見学したが(広瀬すずのヒロインオーラが全開! 『なつぞら』十勝ロケで垣間見えた出演者たちの絆)、驚いたのはロケ地への移動時間の長さ。帯広市内から陸別町までは、車でおよそ2時間かかり、撮影現場から控室などへの移動も基本は車移動だ。このような部分でも、帯広観光コンベンション協会が大きな役割を果たしているという。


「キャスト・スタッフの方々をあわせるとかなりの人数になるので、運転手を含めて、車両の手配の協力を私共がしております。そのほか、ロケハンや宿泊施設、エキストラ募集の協力なども行っています。これまでも十勝を舞台としたドラマや映画はありましたが、朝ドラのように1年以上にわたり撮影を行う機会はなかなかありませんでした。そのため、各町村の窓口を一本化して、連絡がスムーズにいくように体制を整えました。冬を越しての撮影となるので、ロケセットの維持管理なども行いましたが、これは初めてのことでした。今までにないバックアップ体制と言えるかもしれません」


 帯広空港に降り立つと、『なつぞら』ののぼりやポスターなどがすぐに目に飛び込んでくる。鈴木氏によると、ロケ地以外の場所でも、十勝全体が今は“『なつぞら』仕様”になっているとのこと。


「のぼりやステッカー、看板など、どこに行っても『なつぞら』を見かけることができると思います。『なつぞら』への熱気は本当にすごいです。今週の展開を受けて、なつが柴田牧場を飛び出て、東京に向かうことを心配に思っている視聴者も多いですね。みなさん我が子のようになつを見守っているようです。とはいえ、なつの成長の原点には間違いなく柴田牧場があると思うので、東京に出た後も再び十勝に戻ってくることを期待しております」


 地元でも熱狂を生んでいる『なつぞら』。なつが舞台を東京に変えても、泰樹(草刈正雄)をはじめとする十勝からの後押しは変わらずにあるだろう。この夏、『なつぞら』の“聖地巡礼”として、北海道・十勝に訪れるのもいいかもしれない。(石井達也)