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嵐は20年に渡ってファンを魅了し続けてきた 印象深いライブパフォーマンス&演出を振り返る

2019年05月18日 06:11  リアルサウンド

リアルサウンド

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 史上最大規模の全国5大ドームツアー『ARASHI Anniversary Tour 5×20』で全国を熱狂の渦に巻き込んでいる嵐。自身2枚目となるベストアルバム『5×20 All the BEST!! 1999-2019』の詳細が発表されると、豪華な内容にファンからは歓喜の声が挙がった。CDにはデビューシングル「A・RA・SHI」から最新シングル「君のうた」までのシングル全表題曲63曲に加え、20周年のアニバーサリーソング「5×20」も含む全64曲を収録し、嵐20年の歩みを振り返ることができる充実の内容だ。加えて初回限定盤の特典がさらに豪華。特に「初回限定盤2」の「ARASHI LIVE CLIPS」にはこれまでのライブの中から印象的な26曲の映像を収録するというから驚きだ。デビューから20年、ファンを魅了し続けてきた嵐だが、ここですでに発売されているライブ映像から印象深いライブパフォーマンスを振り返ってみたい。


(関連:嵐、珠玉の楽曲からたどる20年の軌跡と未来 “史上最強”のベストアルバムへの期待


 まずは2007年『ARASHI SUMMER TOUR 2007 Time -コトバノチカラ-』。嵐ファンの中でも根強い人気を誇る通称『Timeコン』。疾走感のあるセットリストが秀逸で、盛り上がりを体感できる。中でも現在では他のアーティストライブでもすっかり定番となったムービングステージの上でキレキレに歌い踊る「Yes? No?」は必見。現在とは一味違う当時ならではのシャカリキな嵐の姿を見ることができる。またDISC2に追加収録された横浜アリーナ公演での「ファイトソング」も貴重。


 2009年の『ARASHI Anniversary Tour 5×10』は東京オリンピックを控え、現在新国立競技場として建設中の旧国立霞ヶ丘競技場で行われた公演の模様を収録した、記念すべき1枚。冒頭、国立競技場の空を舞いながら登場するパフォーマンスは今でもファンの心を捉えて離さない名シーンだ。またデビュー曲「A・RA・AHI」は伝説のスケルトン衣装で登場し、大歓声を浴びた。10周年記念ソングとして披露された「5×10」は嵐の5人が作詞に参加。ファンへの感謝の想いとこれからの決意を込めた歌詞に「何度見ても泣ける」と胸を熱くするファンも多い。


 ファンの投票を元に構成された曲に、メンバーの推薦曲も加えた2012年の『ARASHI アラフェス NATIONAL STADIUM 2012』。印象深いパフォーマンスは何と言っても通常のライブと違い、ジャニーズJr.やダンサーなどが参加しない嵐5人だけのステージ。メンバーのソロ曲のバックで嵐が踊るというレアなシーンが見どころだ。ブレイクしてもなお、遊び心を忘れないやんちゃな5人の姿にほっこりするファンも多く、国立競技場という大舞台を使い、嵐とファンが楽しめる空間を創り上げるパフォーマンスの数々は何度見ても心あたたまる。また大野智と二宮和也が2002年12月に結成した、自称“隙間産業アイドルユニット”・大宮SKの初の実写映像化も見逃せないところ。伝説のユニット登場に盛り上がる会場の熱気も見逃せない。


 そして2015年、東日本大震災の被災地である宮城で行われた『ARASHI BLAST in Miyagi』で披露された「果てない空」。歌詞に込められたメッセージが宮城の夜空に静かに、しかし確かに響いていくシーンは圧巻だ。


■ファンの気持ちに寄り添う、嵐のライブ演出
 大きな話題となったのが『ARASHI LIVE TOUR 2014 THE DIGITALIAN』で「ファンライト」と命名された、うちわ型の自動制御のペンライトによる演出。会場全体に一斉に同じ色が点灯され、次々に色が切り替わっていく様子に目を奪われる。客席までセットの一部のようになる演出はファンの間でも大好評だった。


 この自動制御機能のペンライトは『ARASHI LIVE TOUR 2015 Japonism』以降も進化し、『ARASHI LIVE TOUR 2016-2017 Are you Happy?』のAre You Happy?ライトは、オープンカーに乗った嵐がアリーナ外周に姿を現すと、スタンド全体が動く夜景のようになるという高度な演出も。このようにファン参加型のスタイルは嵐のライブならでは。2014年の『DIGITALIAN』ではメンバー5人の心拍数のカウントがステージ上に表示されたり、筋肉の動きで音を制御していく最先端の技術を用いた表現が用いられたほか、2017~2018年の『ARASHI LIVE TOUR 2017-2018 「untitled」』では一面2083インチの可動式超特大LEDビジョンの採用で、ドームのスタンド上段席であっても嵐の姿を間近に感じることのできる演出も取り入れられている。嵐のパフォーマンスの根底にあるのは常にファンに寄り添う気持ち。最先端の技術をいち早く導入し、ファンを喜ばせたいというメンバーの気持ちが伝わってくる。そんな演出やパフォーマンスが多くの人の心に響いているのだろう。


 今回リリースが待たれるベストアルバムの「初回限定盤2」の特典「ARASHI LIVE CLIPS」では、これまでの嵐のライブの軌跡を改めて振り返ることができる。特典映像で気になったライブ本編を改めて手に取る、という楽しみ方もできそうだ。(北村由起)