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別居をもちかけた夫「離婚前提じゃない」と言うけれど 応じるリスクは?

2019年05月17日 10:21  弁護士ドットコム

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夫から別居を提案された女性が、同意して良いものかどうかと弁護士ドットコムに質問を寄せました。夫は別居について「お互いにやりたいことができるから良い」「別居することで家庭以外のことも視野に入る」と言っているそうです。


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夫は「離婚前提じゃない」とも言っています。しかし結婚してまだ1年。穏やかな話ではなさそうです。



相談者は、喧嘩が絶えないことが背景にあると考え、「このまま別居して2、3年後に離婚請求された場合には認められてしまいますよね?」と聞いています。



女性が言うように、本当に「2、3年の別居で当然に離婚となってしまう」ものなのでしょうか。あるいは、別居が不仲によるものではなく、ひとつのライフスタイルとしての前向きなものであれば、離婚理由とはならないのでしょうか。村木亨輔弁護士に聞きました。



●「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するか

ーー夫からの「離婚前提じゃない」との提案であっても、別居は長く続けば、離婚理由となってしまうのでしょうか



「裁判上の離婚原因については、民法770条1項に明記されています。



今回のケースでいえば、『別居』が、『その他婚姻を継続し難い重大な事由』(民法770条1項5号)に該当するかが問題となります。これは婚姻関係が破綻してしまい、回復する余地がない状態のことです。



非常に抽象的ですので、裁判所が諸処の事情を考慮の上、『その他婚姻を継続し難い重大な事由』があるのかどうか判断することになります」



●別居していても「夫婦関係の維持」は可能だが

ーー相談者は別居期間が長くなれば、離婚が認められてしまうのではないかとも心配しています



「長期間の別居では、婚姻関係が回復する余地なく破綻していると認められれば、『その他婚姻を継続し難い重大な事由』にあたるとされます。具体的にどの程度の期間が長期の別居と言えるかについてですが、3年から5年程度とされることが多い印象です。



ただ、ライフスタイルが多様化している昨今においては、別居自体も一つの生き方として前向きに捉える見方もあるでしょう。別居していても良好な関係が維持されている限り、別居期間が長期に及んでも5号事由に当たると評価するのは難しいでしょう。



そこで、後に離婚問題が浮上することを回避するためには、例えば、定期的にメールのやり取りをしたり、お互いの家を行き来したりするなど夫婦関係を維持するように心がけた方が良いかもしれません」



(弁護士ドットコムニュース)




【取材協力弁護士】
村木 亨輔(むらき・きょうすけ)弁護士
虎ノ門法律経済事務所神戸支店の支店長弁護士。東京本店を中心に、全国に30の支店があり、今後も各地に拡大する予定。本店支店間が相互に連携を取ることにより、充実したリーガルサービスの提供を可能とする。

事務所名:虎ノ門法律経済事務所 神戸支店
事務所URL:http://kobe.t-leo.com/