保険に加入する際は、煩わしい書類の記入など契約完了までの時間がかかってしまうのが一般的だ。しかし、今回紹介するインシュアランス×テック企業の「JustInCase」では、スマホを使い90秒で保険契約が完了するという画期的なサービスを提供している。代表の畑氏にインシュアテックの未来について話を伺った。ITの力を保険商品に活かして、新しい価値を提供するQ1.JustInCaseのサービスについて簡単に教えて下さい。justInCaseは少額短期保険業者のライセンスを昨年2018年6月に取得し、「保険」商品を提供するITスタートアップです。第一弾商品として、スマホの修理費用に対応した保険である「スマホ保険」を開業と同時にローンチしております。スマホ保険は、アプリで完結し、一人一人のリスクに応じた保険料を提供するダイナミックプライシングを搭載した保険商品です。また既に第二弾商品の商品認可も取得済みであり、現在は第三弾の商品認可を金融当局に持ち込んでいます。第四弾・第五弾商品も既に決まっており、パートナー企業様とデータ分析をしています。Q2.justInCaseはどのような背景から立ち上げたのでしょうか。私自身は15年ほど保険業界で新商品開発をする仕事をしていました。そこで気づいたのは、保険商品の開発は、アクチュアリーによる数理分析を含む金融当局への認可折衝、システム開発など非常に時間がかかるプロセスを要することでした。AWS(Amazon Web Service)をはじめとするITインフラ、データ分析を容易にするプラットフォームやライブラリなどがこの5年で凄まじい勢いで充実してきた中、ITスタートアップとして保険業をしたら、これまでとは異なるサービス提供が可能なのではと思ったのが立ち上げたきっかけです。これまでの保険商品は詳細のデータに依存せず、生命保険で例えれば、年齢と性別だけで保険料が決まっていました。これでは、本当にリスクが高い人が得をして、リスクが低い人は必要以上の保険料を払っていることになります。そこで、ダイナミックプライシングを取り入れた保険商品を用意して、ユーザーに新しい価値と体験を届けようと考えました。さらに、中国では既に成功例が出ていたことも背中を後押ししてくれました。インシュアテックが生み出すデータドリブンな保険商品Q3.なぜ保険業界はこれまでスマートフォンから成約に至ることが少なかったのでしょうか。保険業界は規制環境が厳しく、またそのシステムはモダンなものではなく、大きなレガシーを抱えています。それ自体が必ずしも悪いことではないのですが、変化する外部環境(全てのサービスがスマホ化など)に対応するのは必然的に難しくなっていたと考えられます。保険は自ら買う商品ではなく、誰かに売られる商品だと言われますが、これまでは保険の購入の際に人(販売員)が対面で説明することが一般的であり、そのような背景も関係すると考えられます。Q4.アプリユーザー獲得のためにどのような工夫をしているのでしょうか。