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TEAM NACS 戸次重幸、『なつぞら』で“道民性”を生かし熱演 メンバー全員出演にも期待高まる

2019年05月17日 06:11  リアルサウンド

リアルサウンド

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 北海道が生んだ演劇集団TEAM NACSのメンバーの1人、戸次重幸が北海道を舞台にしたNHKの連続テレビ小説『なつぞら』に出演している。戸次が演じるのは、天陽(吉沢亮)の父・正治。北海道とゆかりの深い戸次は、戦争で家屋を失い、新天地となる北海道で懸命に生きようとする姿を熱演している。


【写真】山田家のメンバー


 バラエティ番組で見せた数々のエピソードから「ミスター残念」と呼ばれることが多い戸次。ソロプロジェクト『MONSTER MATES』初日にも、1人だけギミックが作動しないハプニングがあり、その残念っぷりにファンが湧く場面もあった。TEAM NACSのメンバーの中で最も「やんちゃ」な戸次だが、その熱い演技には定評がある。今作では、山田家の開墾を手助けする泰樹(草刈正雄)らから、開墾者としての姿勢を学ぼうとする熱心な姿が印象的だ。


 主人公・なつ(広瀬すず)は度々「天陽くんを助けたい」と泰樹に助けを求めてきたが、その背景には必ず、農業に苦戦する正治の姿があった。1人で土地を切り開いてきた泰樹とは違い、北海道へやってくるまで農業を経験したことがなかった正治。度重なる困難を必死に乗り越えようとするその姿からは、開拓の厳しさがひしひしと感じられる。


 戸次はNHKドラマ・ガイド『連続テレビ小説 なつぞら Part1』で「僕は北海道生まれで、東京で仕事をし始めてから道民のフロンティアスピリットを自覚するようになりました。血筋や伝統にとらわれず、『よかったら自分のおかげ、悪かったら自分のせい』という方程式で生きている人が多いなと。そうした実力主義の道民性が僕は好き」と答えている。戸次と正治の置かれている環境は真逆だが、北海道に生まれ、道民性をよく理解している戸次だからこそ、厳しい自然の中でひたむきに生きようとする正治の熱意を演じられるのだろう。


 公式サイトのインタビューで、東京から北海道へやってきた正治を演じるために「言葉」に気をつけていると話す戸次。「前半は全く北海道弁をしゃべらず、後半は北海道に何年かいたらこのくらいのなまり方をするだろうって計算でやっています」と答えている。劇中に登場する家族のうち、山田家だけが標準語で話している。「みなさんが苦労して北海道弁を練習している横で、しゃべれるのにもったいないなぁと思ってやっていました」というユーモラスな発言も出た戸次だが、正治に生じる変化は決して「言葉」だけではない。北海道で暮らす年月が積み重なるにつれて、表情が穏やかになっていく正治。開墾を諦めていた頃の正治は、俯きがちで不安げな表情を浮かべていることが多かった。しかし地元民に助けられ、人並みな生活を送れるようになってからは、困難が起きても、それに立ち向かおうとする姿勢を見せている。なつたちに見せる穏やかな顔つきには、生活が困窮していたときの苦労は感じられない。


 なお今作は北海道が舞台ということもあり、TEAM NACSのメンバー全員が出演するのではないかと期待が高まっている。安田顕は、なつの大親友・雪次郎(山田裕貴)の父・雪之助を演じ、音尾琢真は、柴田牧場で働く菊介を演じている。記者会見では、制作統括の磯智明チーフプロデューサーが森崎博之、大泉洋の出演について「交渉していきたい」と発言。戸次、安田、音尾の3人は、主人公・なつと関わりのある役柄のため、森崎、大泉の出演にも期待が高まる。


(片山香帆)