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TOYOTA GAZOO Racing 2019年NASCAR第12戦カンザス レースレポート

2019年05月16日 15:11  AUTOSPORT web

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3位フィニッシュを果たしたエリック・ジョーンズ(#20)
モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第12戦カンザス
孤軍奮闘のエリック・ジョーンズが3位フィニッシュ

 カンザスで行われたNASCARカップ・シリーズでは、ベテラン勢が苦しむ中22歳のエリック・ジョーンズが孤軍奮闘の3位。トラック・シリーズでは10代の若手ドライバーが速さを見せ、18歳のトッド・ギリランドの3位を筆頭に、5台の“トヨタ タンドラ”がトップ10フィニッシュを果たしました。


Monster Energy NASCAR CUP SERIES
第12戦 Digital Ally 400
開催日:5月11日

孤軍奮闘のエリック・ジョーンズが3位フィニッシュ

 5月11日(土)、アメリカ中西部カンザス州カンザスシティのカンザス・スピードウェイでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第12戦Digital Ally 400が開催されました。

 2001年開設と比較的新しいコースのカンザスでは、この春の大会と“プレーオフ”中の第32戦の年2回開催。このコースでのトヨタ勢は、カイル・ブッシュとデニー・ハムリンが各1勝、そして2017年にはマーティン・トゥルーエクス・Jr.が春と秋両レースを制し、自身初のシリーズチャンピオン獲得へ向け大きなポイントとなったコースの一つでもあります。この春の大会は例年、母の日の前の土曜日にナイトレースとして行われます。

 11日(土)午後6時52分、1.5マイルオーバルを80周、80周、107周の3ステージ合計267周(400.5マイル:約640km)して競われる決勝レースのスタートが切られました。

 トゥルーエクス・Jr.は予選後の車検で失格となり後方スタート、カイル・ブッシュ、ハムリンもハンドリングに苦しみトップ10圏内に入れない前半戦、トヨタ勢最上位グリッドの3列目6番手からスタートを切ったエリック・ジョーンズがトップ5を争いました。

 59周目、ハムリンが右リアタイヤのパンクに見舞われスピン。エリック・ジョーンズはタイヤに車体の一部が当たるトラブルに見舞われていましたが、幸運なタイミングのこのイエローコーション(何らかの障害による全車スロー走行指示)でピットに入り修復。

 カイル・ブッシュはこのコーションのとき、ライバルがタイヤを4本交換するのに対し2本交換作戦に出て2番手へと浮上しましたが、やはりハンドリングの苦戦が続き、徐々にポジションを落としてステージ1はエリック・ジョーンズが9位に終わりました。

 ステージ2はイエローコーションが出ないままの展開となるなか、好走を続けるエリック・ジョーンズが追い上げ3位。カイル・ブッシュが9位。猛追をみせていたトゥルーエクス・Jr.は、追い上げ中にライバルに追突し車両前部を破損。この修復のためにポジションを落としてしまいました。

 ステージ3も前半はイエローコーションが出ず、ピットで順位を上げると共にセッティング変更が当たってペースを上げたカイル・ブッシュが首位争いに浮上。しかし、カイル・ブッシュは中盤のピットインのときに他チームのピットエリアを規定以上通過してしまったとして痛恨のペナルティを受け、13番手に後退。

 トヨタ勢のベテランが苦戦を強いられるなか、シリーズフル参戦3年目の22歳エリック・ジョーンズが孤軍奮闘。ライバルと接触しながらの激しい上位争いを繰り広げました。

 カイル・ブッシュは終盤トップ10圏内まで浮上したものの、他車との接触による緊急ピットインで周回遅れとなり、前戦シリーズタイ記録に並んだ開幕からの連続トップ10フィニッシュ記録はここで終えることとなってしまいました。

 レースは残り5周でイエローコーションが出され、最後の2周で決する“オーバータイム”に。エリック・ジョーンズはここでピットに入らず最前列2番手からの再スタートを切りましたが、3位でチェッカー。今季開幕戦デイトナに続く、自己最高位タイでのフィニッシュを果たしました。

 次戦は5月18日(土)、アメリカ東南部ノースカロライナ州コンコードのシャーロット・モーター・スピードウェイで、オールスター戦が行われます。

ドライバーコメント:エリック・ジョーンズ
「スタート直後はそれなりでしたが、周を重ねるごとに調子は良くなっていきました。トップ争いができたという意味では良い夜でした。我々の“トヨタ カムリ”は確かに勝てる車両でしたが、いくつかが上手くかみ合わず、最後のコーションも加速が足りませんでした」

「しかし、先月が厳しい戦いだったのに対し、先週(6位)に引き続き上位を争えてるのは嬉しいですし、この勢いを次戦以降にも保ちたいです」

NASCAR GANDER OUTDOORS TRUCK SERIES
第7戦 Digital Ally 250
開催日:5月10日

18歳のトッド・ギリランドが3位
5台のトヨタ・タンドラがトップ10フィニッシュ

 NASCARガンダー・アウトドアズ・トラック・シリーズ第7戦Digital Ally 250が5月10日(金)にカンザス・スピードウェイで開催されました。

 10日(金)午後7時40分、1.5マイルオーバルを40周、40周、87周の3ステージ合計167周(250.5マイル:約400km)して競われる決勝レースがスタート。タイラー・アンクラム、ハリソン・バートン、トッド・ギリランドの18歳トリオが2番手、3番手、5番手と好位置からスタートを切り、序盤から激しいバトルが展開されました。

 26周目、エクスフィニティ・シリーズのレギュラードライバーで前戦に続きトラック・シリーズにスポット参戦しているブランドン・ジョーンズがスピンしイエローコーション。ステージ1、2は無給油でも走り切れる周回数のためピット戦略が分かれましたが、セッティングに苦しむトヨタ勢はピットへ向かい、ポジションダウン。ステージ1はオースティン・ヒルが5位、トッド・ギリランドが7位、ハリソン・バートンが9位、アンクラムが10位となりました。

 ステージ2はトッド・ギリランドが7位、ヒルが8位、アンクラムが9位。トラック・シリーズ参戦6戦目ながら予選でキャリア最高位の2位、ここまでトップ10圏内での走行を続けるなど好走をみせていたアンクラムですが、ステージ2終了後のイエローコーションのとき、ピットロードでスピード違反をとられ惜しくもポジションをおとすこととなってしまいました。

 ステージ3は前半、イエローコーションが出ない展開が続くなか、セッティング変更が効を奏したトッド・ギリランドが上位争いを展開。今季初のフル参戦もなかなか思うような結果がでず苦しんできたトッド・ギリランドが、トヨタ勢最上位、自身にとっても今季最上位となる3位でチェッカーを受けました。

 ヒルが4位で連続トップ10フィニッシュ。ブランドン・ジョーンズが5位、今季トラック・シリーズに初参戦のライリー・ハーブストが9位、ハリソン・バートンが10位に入り、トヨタ・タンドラは5台がトップ5フィニッシュを果たしました。

 次戦第8戦は5月17日(金)にシャーロット・モーター・スピードウェイで開催されます。

ドライバーコメント:トッド・ギリランド
「練習走行の時から、トヨタ・タンドラを仕上げるべくクルー達とともに本当にハードに働いてきました。それが結果に繋がって満足しています」

「予選5番手で3位完走は目を見張るほどの結果ではないかもしれませんが、まだ10代で経験の乏しい自分には簡単なことではありません。大変な自信になりますし、この勢いで次戦シャーロットでもまた上位争いが出来ることを期待しています」